セロー250でユーラシア大陸横断 104

8/14-15

当然ながら蚊が多くて大変ですが静かな野宿地は安心します。早速使った銀マットのおかげで寝坊。エアマットはいよいよダメそうです。

この頃いちばんハマってるオレンジ。ナイフで二つに割ってそのまま齧り付くと甘さが口いっぱいに広がって高級なジュースを飲んでるような満足感が得られます。

トロヤンという町の小さな市場の横に流行りのケバブ屋があり、注文をミスったのかバラバラで出てきてしまったケバブがとても美味でした。肉が大きく炒めた玉ねぎに大ぶりのピクルス、ポテトと具沢山で濃厚なヨーグルトソースの味がやっぱこれ!と訴えてきます。トルコのケバブも美味いけど基本ソース無しで生野菜ばかりなので…。

しかも560円。昨日のまずいランチが1300円もした、と嫌な記憶が蘇って慌てて忘れます。やはり店選びが肝心です。

峠を登って中央バルカン国立公園へ。名前に惹かれてなんとなく来た場所でしたが驚きの絶景。ブルガリアは展望なくて味気ないな、とおもっていたところに急にこんな景色が現れました。

 

自由なアーチという大きなモニュメントがあり、ここも半廃墟で中に階段があって登れたのですが床がところどころ崩れていて怖すぎて断念。

休憩してるとブルガリアの夫婦2組に声をかけられ、旅の話をしたらブルガリアを楽しんで!とタバコをくれたので一本貰うつもりがそのまま箱を押し付けられて一箱頂いてしまいました。景色も人も急に良い出会いが続いてニコニコします。

モニュメントの奥にダートの道が続き、二股に分かれた小さい方の道を選んでみるとかなり荒れた崖沿いの道になります。絶景でこのままどこまでも行きたくなりますが、3割くらいの確率で転びそうな難所が幾つか現れてUターン。

一汗かいたので休んでいるともと来た道を牛の群れに塞がれてしまいました。犬も牛も大人しく道を譲ってくれて無事戻れました。

車通りもありそうな大きなダートを進んでみるとこちらも素晴らしい景色も。最後は山小屋で道が途切れていました。ダートの山越も楽しいですが、こういう美味しいとこだけ楽しめるピストン林道も大歓迎です。

バルカン山脈を降りてくるとカルナレという村に着いたのですが、ここの雰囲気がほんとうにのどかですっかり気に入って宿を探しました。残念ながらどこも営業してなくて宿泊は断念。多少高くてもこんな素敵な建物に泊まってみたくなってきました。

よく見かけるようになってきたコーヒーの自販機に挑戦してみるとなかなか美味しくて嬉しくなります。

近くに乳製品のお店もあってキンキンに冷えたアイランも飲めました。

カルナレからしばらく山道が続き、面白そうなダートを見つけて入ってみると景色のいい高原になって思わず野宿。

ソフィアまで頑張って走るつもりでしたが、ドミトリーで1800円とかするので馬鹿らしくなってしまいました。

少しはある高原の景色を見ながらワインを飲んでいると、見積もりと予約をとっていたポルトガルーチリ間のバイク輸送がコンテナの空きがないとの連絡が。

大きく予定が狂ってガッカリしましたが、スペイン発の航路もあるし最悪アフリカに突入して好きなとこで旅を辞めるだけだな、と酔っぱらい特有のシンプルな思考に至って寝袋に入りました。

急に雲が出てきたかと思えば夜中に雨が降り、朝方まで止まず10:30出発。まっすぐ首都に行くのがなんとなく癪で、いつもはスルーする観光地への標識に従って脇道へ。するとコプリフシティツァという村に辿り着きました。

これまで良いなーと感じていたブルガリアの建築の上澄みの様な素晴らしい家が幾つも現れて大興奮。どうも伝統的な建物を美観地区のように維持しているようです。

5メートル進んではバイクを止めて写真を撮るような有様で全く進めず、ついにはそのまま宿を取ってしまいました。奮発して4800円もする個室です。昨日の今日でさっそく田舎に泊まろうが実現。

丘の上にありバルコニーからの景色が最高です。さすが4800円。Wi-Fiが無くてびっくりしましたがこの景色の前には些細な事。まだ午前中だったので荷物とバイクを置かせてもらってさっそく街歩きに繰り出します。

張り出した部分が特徴的ですが、それを支える柱に超萌えてニヤニヤ写真を撮っています。

基本石造りですがたまに日本らしさを感じてしまうような木の門が現れます。

この煙突がたまりません。煙突に縁のない暮らしをしてきたので、煙突に小さな屋根が付いているのを見て、常識が更新されるような気持ちいい気づきを得ました。イメージしてた煙突ってただの筒で。

そんなアホの感想は置いといて、とにかく見た目が最高なのでした。

飛び出す絵本みたいな家。

路地を歩けるだけで幸せです。観光地っぽいのにメインの通り以外まったく人通りがなくて静かで理想的な散歩。

思わず駆け寄ってしまった建物。ちょっと狙いすぎなくらい美しい作り。この町の大工さんは誇らしいだろうなあ。

こういう美観地区のような村は都市計画的なものがあるんでしょうか。路地や建物の雰囲気を決める話し合いとか存在したなら凄い楽しそうです。

東にある宿から反時計回りで村を半周してメインの観光通りへ。誇張抜きでほば全ての路地を歩いて来たので腹ペコです。

奮発して豚レバーとたまねぎの炒め物、バター風味のパンとビールを注文。

これが味が濃くってビールに最高に合います。パンも焼きたて。

食事が来るまでネットで調べていると、ここはブルガリアで最も美しい村とされていて、民族祭が毎年される伝統音楽の発信地らしいです。

久々の生ビールと視覚、味覚から押し寄せる多幸感であんまり情報が頭に残りませんでしたが、なるほど納得の美しさです。ほんとにラッキーでした。

すぐ近くでオスレコフの家という富豪の家が見学できました。とても面白いですが、ミュージアムより今暮らしてる人の家を覗いてみたい欲が湧いてきます。

雨は上がったもののずっと曇り模様で、街歩きにはありがたい涼しさでした。

特に好きな路地。

石垣屋根瓦門に迫り出した建物と見所が一度に目に飛び込んできてどうしよう…と呟きながらニヤニヤ。

観光地的に配慮してるのか商店が見当たらず、とはいえ絶対どこかにあるだろうと歩きながら探していると教会の横に小さな商店がありました。ビールも売っているし値段も普通です。

小川が美しく癒されます。静かな教会から北へ少し坂を登ると開けた小道に出て、上から路地を一望できました。風が気持ちよく、ここで散歩にひと段落つきました。

さっきの商店でビールやチーズを買い込んで宿に戻ります。5時間以上歩いてほとんどの路地を制覇出来ました。気持ちのいい疲労感。

熱々のシャワーを浴びて、宿のすぐ横にある展望台へ。村を一望できるいちばん景色のいい丘が部屋のすぐ横からアクセスできて大当たりの部屋割りでした。

ビール1Lとワインを一本。トルコであまり飲まなかった体にアルコールをたくさん入れて1日の終わりまでノーブレーキ幸せ状態で過ごしました。

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