セロー250でユーラシア大陸横断 91

7/2-3

朝は人間も静かで湖面も凪いでいます。もし日本にこんなキャンプ場があったらいくらぐらい取られてしまうんでしょう。

タトワンという湖沿いにある近代的な街をスルーしてヴァンという街を目指していきます。

道は時折湖沿いを外れて山に入ります。

山をいくつか越えて入り組んだ湖の入江をなぞって走っていくと湖の展望のいい崖の上に出ました。ここなら野宿出来たかも。

ガソリンスタンド併設のカフェで初めて朝ごはんを食べられました。メニューがなにがあるのか分からず考えていると店内にいたおじさんにこれがおすすめ!と言われたので素直に注文。豆のスープでレモンを絞って頂きます。チャイもついて150円!

トルコ語はまださっぱり分かりませんが、美味しいは右手を摘んで上にあげるジェスチャーで通じるみたいです。

英語が通じないのでたまにわかる人と話すと自分がとても英語ができるようになった気がして良い気分です。これで調子に乗っているとたまにネイティブにあって鼻を折られるわけですね。

ヴァンという大きな街にやってきました。バイクのオイル交換を目的に来たのですが、イードアルアドハーというイスラムの祝日に当たってしまったようで街にあるバイク屋がどこも閉まっています。

この先どんどん僻地に向かうのでなんとかしておきたく、Googleマップを見てみると近くにバイクカフェを見つけたので情報を集めることにしました。

229カフェというオシャレな店にやってくると、たまたまお客さんがいなくて店長さんに対応してもらいます。事情を話すとオイルを売ってくれることになり、工具の貸し出しや廃オイルの処理などもしてもらってしまいました。

チャイを何度も出してもらって話しながら作業を進めます。

10w40のオイルだけちょうど置いてあってラッキーです。

作業を終えてそろそろ出発しようとすると、もう少しチャイを飲んでいけと言われ、しばらくすると店長のブラクの友人がたくさん店に集まってきました。

紹介してもらってどんどん顔見知りが増えていきます。

お前フレンドリーでいいな!トルココーヒーを飲んでいけ!と言われ、腹は減ってないか、ピザを食わないか?とご飯まで出してもらいました。

ぞんざいに、しかし可愛がられている看板犬。

気づいたら話し込んでチャイを十何杯も飲んでおり昼過ぎになっていました。今日は泊まっていかないか?と言われホテルをやってる友達に連絡しておいたから金の心配はないよと宿の手配までしてくれることに。あまりのスマートさにびっくり。

 

困惑しているうちにホテルをやってるマフメットがバイクで迎えにきてしまってついていくことになりました。cbr600rで先導してくれるのですが、街中でもお構いなしにぶっ飛ばしてリアをスライドさせながら街角に消えていくので追いかけるのに必死。

着いた宿はとても綺麗でバイクまで中に入れさせてもらいました。トルコに来て初めての宿で体を休め、シャワーも浴びてスッキリ出来ました。

ブラクが落ち着いたらまたカフェに来なよ、と言ってくれていたので2時間くらい休んで戻ることにしました。

ブラクや友人たちは忙しいみたいでしばらく1人でしたが、スタッフのお姉さんが嫌な顔ひとつせず何杯でもチャイを出してくれてブログが捗ります。

1番仲良くなった遺伝子学者をしているウズグシュが店の手伝いをしていて何かと構ってくれました。結局厨房担当の姉さんが晩御飯食べな!と言ってくれて夕飯までご馳走に。

写真を撮らせてというとみんな大盛り上がりで嬉しくなりました。ウズグシュはとても惜しんでトルコ式の抱き合う挨拶をしてくれてこちらまで別れが惜しくなります。

帰る直前に昼間のみんなとも合流出来ました。街もだいぶ夜型のようで帰り道もたくさんの人で賑わっていて写真を撮れないのが惜しい風景でした。

ブログをたくさん書きためて、ついでにトップページに出てきたphpとやらの更新もしちゃお〜と安易に作業したのが運の尽き。ブログが見れなくなってしまいました。慌ててバックアップを復元すると間違えて1日前のものを選んでしまい、6時間ほどちまちま書いた3記事が消滅。そのまま寝るに寝れず散々な夜でした。

起きたらブログは見れるようになっていたので失ったのは時間だけ。

ホテルの朝ごはんを食べてやや寝不足のままヴァンの街を出発します。

オイル交換で寄っただけなのにイスラムの祝日といい出会いのおかげで忘れられない街になりました。またいつか。

南下してHakkariというイランとの国境付近の街を目指していきます。クルド系の人が多く、何かと物騒だけど軍人は旅人好きだから何かあったら頼るんだよ、とヴァンのみんなに言われていました。

街を出ると峠になり、走りやすいダートで山頂まで。ヴァンの街が一望できます。

見たことないほど綺麗な用水路。上流にダムがありました。

時折城の跡が現れます。遺跡が多いのがいかにもトルコらしい景色。

こんな景色なのにしっかり中央分離帯のある二車線道路が続きます。

 

どんどん景色が凄くなってきて思わずいつもの寄り道癖が出てしまいました。どこまでも道がいいのでこうでもしないとダートを走る機会が訪れません。大きな谷間を崖の上から見下ろしながら走っていくと川沿いの美しい道に。

どんどんと奥まで走れてしまい、開けた高原を抜けて少し雪が残る山の目の前、小さな集落まで着いたところで道が怪しくなってきて引き返しました。

夢中で走ってしまったので帰りは写真を撮りながらゆっくり走ります。ここはトルコでもハイライトになりそうなエリアでした。

多くの旅人は黒海沿いに進むようなので半ば逆張りみたいに南下してきましたが、自分のバイクがあるなら辺鄙な場所に来るのが面白いです。

川好きにはたまらない景色。やはり魚はいませんが。

果たしてこんなにいいダートにトルコで、そしてこの先の大陸で出会えるのか不安にすらなります。

舗装路も日本じゃ考えられない景色、斜度、コーナーの数々。オンロードでも十分すぎるくらい楽しいツーリングが可能です。

ヴァンを出てから明らかに日差しの質が変わり、気温もどんどん上がっています。街がなく飲まず食わずでダートを走ってきたら熱中症になってしまいました。ハッカーリの手前30キロくらいにミリタリーチェックがあり、その脇にやっとお店が現れて軽食と買い出し。

軍の車両がたびたび通りますし検問もありますがほぼ形だけでした。止められることなく走れています。装甲車がかっこよくて気になりましたが流石にカメラを向けるのは憚られました。声かけてからなら撮れそうな気はするけれど…。

軽くご飯を食べたら体の限界が急にやってきて、国道の崖下に降りてテントを張りました。車からでは目線が向かず、林の影に少し隠れた適地で目の前には川が流れます。

川に足をつけてジュースを飲むとおいしくて蘇ったような気になります。しかし1.5Lほどを冷たいうちに飲み切ってしまったのに結局トイレに立つことが一度もなくてゾッとしました。

明日からも食料飲み物が良きタイミングで手に入るか不安です。

夜はやっと涼しくなりましたが、シュラフカバーでちょうどいいくらいで夏の始まりを実感しました。

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