セロー250でユーラシア大陸横断 109

8/23

エアマットがパンクしてしまい、半端な眠りで朝を迎えました。大陸横断を再開するまで長らくジョージアの倉庫に眠らせていたのでいたしかたないですが寿命かもしれません。

一応川につけてみたり泡をかけてパンク元を探しますが、修理できそうな穴が見つかりませんでした。

そうこうしてるとバイクのリアタイヤのキャップ、さらには椅子の足のキャップまでないことに気が付いてがっかり。このところバタバタしてたので何か起きていそうな気はしていました。

川を上流に向けて遡るように走っていくと道幅と景色が開けてきました。

山が大きく迫り、道は舗装になって高度を上げてきます。高原道路のワインディングを走りぬけて気分爽快。僕が抜けてきたダートの道に向かって数台のオフロードバイクが走っていきました。これはいいツーリングルートですね。

標高が上がりきると湖を見下ろす集落にたどり着いて一服。素晴らしい眺めを見てリフレッシュできたおかげか、あれだけ崩していた体調も不思議と良くなってきました。

天気も良く体調も戻って自由に走りたい気持ちになり、峠を下りきり谷間から穏やかな川を渡って国道からダートの道に寄り道してみます。直感が冴えていたのか、山をぐんぐん上る楽しい道で振り返るとこの展望。さっきまで走っていた川沿いの国道が小さく見えています。

小さな畑や放牧されてる羊たちを眺めながら人間には出会わずのんびりダートを堪能。

しかし道がどんどん荒れてきてしまい、一度間違って入った支線から本線に戻るときに体感垂直に近いような崖を上る羽目になりました。途中で止まったら終わると感じたので思いきってやれたのですが、技量的に10回やって8回は転ぶだろう難易度で、復帰後も心臓バクバクでしばらく笑いが止まりませんでした。

気疲れしたので木陰で一休み。緊張でのどが渇いていたので、おやつのオレンジがいつもより美味しく感じます

やがて道が下りはじめ一つ山を越えてたことを察します。景色は最高ですが岩がらみの道や掘れた砂地の道が崖沿いに続き、バイクの運転に集中する道中でした。いつも景色ばかりに気がそれてしまうので、久しぶりに真剣に運転するのも楽しいものです。

フル積載で走るには文字通り荷が重い道。

山を二つ越えたら今朝通ってきた国道に合流できる目論見でここまで走ってきましたが、オフライン地図の精度と道の荒れ具合にちゃんと完抜け出来るのか不安を感じていました。山の谷間に橋がかかっているのを見て一安心。あと一つ山を越えれば町に出られそうです。

フル積載バイクが跳ね回るような悪路も橋の手前から綺麗なダートになって走りやすかったのですが、ダートのブラインドカーブ、しかも坂上から車が80kmくらいで降ってきて危うく死ぬところでした。やっぱり人間がいちばん危険です。

危険な車をパスした峠を上りきると、レストランや小さなホテルが集まるちょっとした広場に出て道もついに舗装路になりました。

地図で気になる山を見つけていたので、一瞬のアスファルトを惜しみつつ再びダートへ。山の登り口にスキー場のような雰囲気の大きな駐車場があり、バスや自家用車がずらり。駐車場からジープ的な四駆に乗り換えてみんな山へ向かってるようです。

360度山に囲まれた稜線沿いをバイクで走れて景色は最高です。のろのろの自家用車がコーナーでつまり、砂埃も酷くてちょっとうんざりしますが。おつりのくる展望。

山頂に来るとモスクがあり、こんな道に車が列を為していた謎も解けました。トルコを西に抜けてヨーロッパに近づいてきたのを感じ始めていたところだったので、またがらりと雰囲気が変わったのが面白く、いい思い出になりました。

しかしあちこちにゴミが捨ててあり、この山もモスクの手前でゴミや家畜の死骸を一緒くたに燃やしていて、少し風が吹くともやと悪臭で大変なことになっていました。

この山を下りて野宿地を探しながら走っていると、道端にとにかくゴミが多くて残念な気持ちになります。ここまで抜けてきたブルガリア、北マケドニア、アルバニアの道の汚し方はかなり壮絶です。

日本だとゴミが多いところだと人が荒れていて、治安が悪くって…と景観が人の心の善悪にだいぶ影響があるような考え方をしていますが、このあたりはゴミが多くても会う人はニコニコして親切だし、そういう普通のいい人たちが悪いことと思わず無邪気にゴミをポイ捨てしてるようで、これが文化の違いなのかなとぼんやり感じました。

ゴミ捨て場や畑ばかりの道が続いて野宿探しに苦労しました。川沿いの道を見つけて登っていくと、堰の近くにテントを張れる広場があってやっとゴール。100km近く荒れたダートを走り、クタクタで飯も作る元気がないままビールを飲んで寝てしまいました。

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