セロー250でユーラシア大陸横断 22

6月17日

昨夜は月が綺麗な夜でした。

今朝もこんな絶景独り占めです。不思議なくらい風が穏やかでのんびりできました。

テントにお客さん。遊牧民のオメールという男。たばこをくれて2人でなにをしゃべるでもなくゆるい時間を共有しました。去っていくオメールを見ていくとぼろい中華バイクでヤギのようにするすると岩山に上って行くので笑うしかありません。

アルタイを目指して走り始めます。途中山あり谷あり、小川や湖も。砂漠を抜けて景色に変化が増えてきました。それでもときたま砂漠地帯が現れて、砂にタイヤをとられラクダの間抜け面とにらめっこ。

アルタイの途中にあるビーグルという町への道が分からず山間をうろうろ。きつい斜面の道を走っていると地面の亀裂にタイヤが落ちて脱出にひと手間。バイクを穴の中で引き起こし倒し、Uターンさせて脱出。ちょうど遊牧民がバイクでやってきて、町の名前をいうと道案内してくれました。ものすごい道を軽快に抜けて見晴らしのいい小山の上で指さして教えてくれます。

お礼をいって別れ山を下り平原へ。道沿いに走っていったのですが、気がつけばゲルで行き止まりになり、町への道路を見失いました。どこで分岐したのか分からずGPSを頼りに道を目指すも見つかりません。そして両サイド切り立った山があるせいなのか、平原はよく見れば無数の岩と石に埋もれていて、1m~3mの深さの亀裂、大きいもので500m以上の幅の河川敷など走るに堪えない道です。それでも連日のダートに慣れていてそんな道を50kmくらいで飛ばして走っていました。

1時間以上右に走り左に走りを繰り返しても道がなくすっかり疲れ、しかも折り悪く大雨に。
もうやけくそになり真っすぐ平原を進んでいくと、あっと気が付いたときには落下していました。景色がスローになり、頭から地面に突っ込んでいきます。眼鏡大丈夫かな、バイクは、とぼんやり考えた直後に激痛。顔は砂だらけで血と交じり泥まみれ。膝からは出血してズボンが台無しです。そして肝心のバイクは。

フェンダーが折れ、ミラーが割れてハンドルも歪みブレーキフルードが漏れ出していました。
ヘルメットもオフロードのバイザーがはじけ飛びシールドが傷だらけに。やってしましました。

一週間ダートのみを走り続け疲れたところに今日の間の悪さ。クレバスは毎日避けれていたので慣れと油断もありました。盛大にへこんで座り込み、それでも痛みが落ち着いたら手当てしてその場でテントを立てました。経験上この失敗について考え続けるといいことがないのでひたすら飯を食い、酒を飲み、電子書籍を3冊も読んで眠りました。

6月18日

これまでたくさん失敗してきたかいがあったようで、自分の機嫌を取ることには成功しました。やらかしたのを帳消しにしてもよいと思えるような絶景です。これからのことを考えながらテントを撤収。モンゴルはウランバートル以外は田舎でバイク屋などないので戻ることを考えましたが、ビザの期限と往復1400kmという距離が辛く、このままカザフスタンまで抜けてロシアの友人リマに教わったバイクショップまで走ることに決めました。

行くぞと決めたものの、ハンドルがゆがんだせいで走りづらくクラッチも切りづらくなっています。そして道も見つかっていないので、遠くに見えるゲルを目指して走り出しました。走りにくいバイクでクレバスを避け、がれがれの岩場を超えていくと川向こうに道が見えました。
降りていくと珍しく川の跡だけではなく水が流れている箇所があり、しかもそれなりの急流。
緊張しながらもなんとか渡河して対岸へ。そして3mほどの盛り土のような丘を登ると念願の道にたどり着けました!!

景色の良さと嬉しさがあいまって本当に昨日のことを忘れてはしゃいでいました。走りやすい道が続き、しかし時折川の跡を通らされて油断なりません。モンゴルの道を走るコツは、二股に分かれた道が1つになっている箇所では必ず遠回りの方を選ぶことです。近い方は大体の確率で道が崩れてクレバスになっていたりします。

昼過ぎに町へ。ガソリンを入れて買い出し。警察はあるか聞いて交番へ。事故の報告書を作ってもらいました。海外旅行保険に携行品の10万円保証があるので、帰国後にこれを提出すればあわよくばお金が戻ってくるかも?という算段。意思疎通は大変でしたがフレンドリーな警官で、思ったよりスムーズに事が運びました。

馬、牛、羊、ラクダなどなどいろんな動物がこのような姿に。仲間入りしなくてよかった。

町を出て走るとまた山の回廊を抜けて高度を上げ、まさに高原道路というような道を下ってアルタイへやってきました。空港があるので期待していたレベルの大きさの街です。久しぶりのちゃんと街中まで続くアスファルトに感動。今日はここで泊まって休養や洗濯などすませて方向を決めようと思っていたのですが、ホテルが見つからず苦戦。結局4件回って2050円もするダブルルームに1人で泊まることに。

wifiがつながらずがっかりでしたが部屋で煙草が吸え、シャワーもラグなしでお湯が出ます。夜にはwifiも低速ながら繋がるようになり、ブログを書いたり電子書籍を補充しました。早くも1万円近く買ってしまっていて、旅の予算を食いつぶすのではと恐れています。

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