6/24-25
昨日は寝れてラッキー!くらいにしか思ってなかった野宿地ですが、朝テントを開けると嬉しくなってしまう景色。撤収が遅れました。
前回強風で走るだけになってしまった峠道は風が穏やかだと最高のツーリングロード。
この頃景色に慣れてしまってこのくらいなら写真を撮らなくてもいいか、と走りを優先していくつか見所を流してしまって反省しました。撮らねば。
こないだのフードコートで今日はバーベキュー。注文してから巨大な串で焼いてくれるのですがお値段960円!日本で食べたらもっとするけれど…と食べながら葛藤。こっちの焼肉は玉ねぎが最高に合います。
帰り道も車が多くて大変だったけど来てよかったです、シュニク地方。
こんな集落がたくさんあります。入っていってみたいけど、まだそこまで旅の力が仕上がっていません。勇気が足りない!
各地に冷たい地下水が出るポイントがあって、人がいない時はよく利用してます。田舎なのをいい事に上半身水浴びしてそのままゴクリ。アルメニアは水が美味しい国です。
アルメニアで1番大きなセヴァン湖を目指してM10で北上。とても景色の良い峠道で、なにより交通量が少ないので好きな場所で止まってとことことマイペースに走れるのが楽しかったです。ジョージアからずっと国道では気が立っています。
長い峠を登り切ると広大な高原に出たのですが、峠の真上に分厚い雲があって小雨も降り出します。息が真っ白になってさっきまで喜んで水浴びしてたのが信じられない寒さに。
やがて道が降りだすと少しずつ気温も上がり、大きなセヴァン湖が見えてきました。
広い道が急に狭くなり、剥き出しの土になりました。入り組んだ住宅地になってしまい、まさにいま道路にコンクリを流していたりとカオス。迂回するのに一苦労。
湖畔沿いの道路で流行りの店を見つけて夕飯にシャウルマなどをテイクアウト。お腹は空いてますがそのまま適当な林道に駆け込みます。
入り口の薄暗い森から明るい林間ダート、美しい川やちょっとした原っぱもあってアタリの林道です。
ついにセヴァン湖に到着しました。しかし風が強く波が高いせいか水は濁り、気温も低くて泳ぐという感じでもないので少しがっかり。高地の湖というと中央アジアでいい思い出があるので楽しみにしていました。
牛飼が近くにいたので隠れられる場所を探すのは苦労しましたが、無事に設営もできたので晩酌。バルチカが妙に甘くてこんな味だっけ?と首を捻りました。
この日みなさんご存知の通りロシアでクーデターが起こり、不安な夜を過ごしました。2019年あたりから歴史が動きすぎているような気がします。もし生きていたら30年後くらいに何があったのか答え合わせを見てみたいものです。
深夜、車が入れない場所の筈が音楽と人の笑い声がしたかと思うと直後に3発の銃声を聞きました。30年、生きられないかもしれません。
テントにも体にも新しい穴は空いていません。無事に朝を迎えられたようです。ロシアのクーデターも湖の強風も一晩で収まったようでした。
いつものように椅子に座ろうとすると転倒。朝露で体が濡れて悲しい思いをして立つと、どうやら椅子が壊れてしまったようでした。大陸各地の僻地で自分を支えてくれた相棒が…。
こんなコンパクトになる椅子がコーカサスで手に入るとは思えず頭を抱えました。エレバンに大きなアウトドアショップがあるようなので、また戻るかと考えたのですが一応よく調べるとネットで在庫確認ができました。椅子の項目にあったのは釣りで使うような三角チェアのみ。向かうのはやめにしました。
晴れたセヴァン湖の美しさは素晴らしく、特に崖の上にある名もない教会から見る景色が最高でした。泳ぐには早かったけどこれだけ綺麗ならきた甲斐があります。
観光もしたくなってガルニという町で名物のパフラヴァというお菓子を食べました。中東出身のようで胡桃が入ったざくざくの記事にたっぷりと蜂蜜が染み込んでいて非常に甘く、美味く、重たい一品。3個は多すぎて夜食にしました。
どっかの国のマスツーライダー。アルメニアではバイクがほとんど走っていないのですれ違うと嬉しくて自分から挨拶します。
中央アジアでは旅のバイクとすれ違うと必ずお互い止まり、ようようよう!調子はどうだ!みたいなノリで話すイベントがたびたびあったのが懐かしいです。砂漠なんかですれ違うと言葉にし難い連帯感が生まれました。
有名なハイラヴァンク、セヴァナヴァンク修道院に行きましたがあまりの人の多さにすぐに退散。綺麗でしたがこれだと感想も何もありません。
近くで給油していったのですが、ガソスタのおっさんが手に持ったケーブルの先にdieselという文字とトラックの絵があるのに給油が終わりかけで気づき、軽油が入ってしまったのではないかと大騒ぎ。
慌ててタンクに手を突っ込みますが変な匂いはしないし、手についた推定ガソリンもちゃんと揮発していくのでたぶんセーフ。おっさんの怪訝な目が痛かったです。
少し北上すると道路沿いにテーマパークみたいな大きさのフードコートがあり、指差しで色々頼めたのでアルメニア料理を堪能。チキンのクリーム煮と魚のマリネが美味かったです。
見た目の美しい中東系のお菓子コーナーもあって楽しい場所でした。
アルメニアにも温泉があるとネットで聞きつけ、わりと近いので向かってみる事にしました。舗装の酷い悪路を30キロくらい山に向かって走り、着いたのはハンカヴァンという小さな村です。
看板も何もないので温泉の入り口を探すのにしばらくうろうろしました。村の入り口から川に下る道を降りるとそれらしき建物に車がたくさん。
さっそく受付にいくと首を横に振られてしまい、困っていると英語のできる人が教えてくれました。なんと16:00現在で22時まで予約でいっぱいだというのです。
ハンカヴァン温泉はいくつかある個室の温泉を借りるスタイルで24時間営業しているらしく、この日はタイミング悪く日曜の午後だったのでこんな事態になってるようでした。
めげずに村のすぐ上にある廃林道を見つけてテントを張りました。もともと温泉に入ったら野宿するつもりでしたが、早起きして朝風呂に行くのも乙なものです。
夜中、枕元で激しい犬の鳴き声や唸り声がして飛び起きました。刺激するのも良くないかと様子を伺うと、どんどん数が増えて4匹くらいがテントを囲んでいるようでした。
追い払うにも襲われるリスクがあり、困っているとだんだん増長してきてついにテントに触れたり前室に侵入しようとしてきました。
危険もありますが怒りが後押しして覚悟を決めました。大声で叫びながら酒瓶を担いでテントを飛び出し、犬を追いかけ夜の林道を駆け回ります。
石まで投げたおかげかなんとか逃げてくれて一安心。人より気持ちを汲むのに聡い所があるような気がしていて、舐められたら終わりだと思ったのでテントの中で本気でぶん殴る気持ちを作ってからの出撃でした。
出来るなら手はあげたくないものですが、大陸横断チャリダーが犬と戦うために積んでる棒の存在を思い出し、再戦もまたあるのかなという気がします。
2日連続で大変な野宿になりました。
記事とは関係ありませんが、さっそくサポートして頂いた4人の方ありがとうございます!写真を楽しんでもらえてるのかなと思うのでこれからもたくさん撮って行きますね。