セロー250でユーラシア大陸横断 32

7月9日

スーパーで買い出しして街から脱出。何人か握手して話しかけてくれる人が居てちょっと癒されます。

郊外に出ると時折雨がぱらつく天気で快適です。通り雨でずぶ濡れになると涼しくてもう気分はサイコーなんですが、曇っていても5分あれば服がからっからに乾いてしまって改めて慄きます。それでも日差しがなければ苦しさは半減。

国立公園が近くにあったので見物に行きます。道中山を抜ける峠道に。こういう絶景は久しぶりです。見晴らしのいいとこで休んでいると、遠くに見えるゲルに住んでいる少年がわざわざ握手しに歩いてきてあいさつしたらそのまま去っていきました。

カザフの田舎に住んでる少年はみんな大人みたいに落ち着いて握手して挨拶してくるので25歳児はたじたじに。

やまから降りて荒野を走っているとさきほどの山の辺りに雨雲が追いついてきて背後では雷が鳴っています。でも行くてはからっとした青空にじりじりとした日差しに熱されたアスファルト。大陸を感じますね。

道を右に折れて30km以上ダートを走り国立公園についたのですが、手前20kmのパーミットオフィスでチケットを買う必要がある、と言われて呆れて引き返しました。ここで売らない意味が分かいません。看板がアンテロープキャニオンのような美しい渓谷の写真だっただけに悔しさも大きいです。レンジャーの人たちは感じよかったけれどお国柄なのか変なルールがあるようです。

そのあとは暑さと真っすぐすぎる道路に疲れてしまい、居眠りしかけたのでバイクを停めると
道の傾斜でバイクが倒れ、そのまま大休憩をとることに。飯屋もないのでパンをかじって遅めの昼食。

右手にはニット帽のような緩やかな山、左手には登るのも難しそうなとがった岩山と残雪が見え、左手の景色が気に入ったので草原のダートを走り牧場を抜けていくと山に近づくにつれ岩だらけに。

走れるギリギリまで山によってテントをたてました。雨雲に追いかけられるように走ってきて、テントを立てて5分で大雨に。タープにバシャバシャと激しく雨が打ち付けてきますが椅子を出して優雅に一服。いいテントです。

ジャーマンポテトとビール。

その後は晴れたり降ったりを繰り返す天気で山を見ながらゆっくり過ごせました。

7月10日

たっぷり9時間以上寝ても倦怠感が取れずぐったり。朝ごはんにポテサラを作っていると馬に乗った遊牧の人があいさつにきました。犬が遠くから吠えてきてどきどきだったのですが、馬に乗った彼らが近づくと途端に吠えるのをやめてじっと大人しく座るので感心。

どうも片付けようという気が起きずゴロゴロしていると途端に大雨が。恵みの雨!天が休めと言っているように感じたのでそのままだらだら生活に突入。

雨が上がるとまた日が差してきますが、タープの下にいると残雪の残る山から下りてくる風が気持ちよく、背後には草原、目の前に山脈の景色でぼーっとするには最高の環境です。

日本一周のときでいうと5か月目くらいの疲労度で、ちょうど倍のペースで疲れている気がします。キルギスについたら何もしない時間を一週間くらいとって心身ともに回復したいものです。特にモチベーションを。

昼夜兼用でパスタを作りました。パスタとジャガイモをゆでてコンソメを加え、別の鍋にオリーブオイルとにんにくたまねぎ、ウインナーを入れて炒めトマト缶、ケチャップ、はちみつを入れて最後にゆで汁ごとパスタを投入。

適当料理でも結構おいしくつくれました。外で作れる料理のレパートリ募集しております。

コーヒー飲んで一服して山見てぼーっとしていると馬に乗ったアフメッドという男に声をかけられ、2kmくらい先の彼の友達の家に歩いてついていくことに。牧場やってるようで馬舎があり石造りの家。暮らしが生で見えるのはやっぱり面白いです。

友達を紹介されて旅の話を身振り手振りでしながら牛乳を発酵させた飲み物をごちそうになりました。酸味が強くて驚きますが、なれるとちょっと癖になる味わい。

食後はたばこ貰って旅の話。この辺の土地の人の感覚だとジョージアくらいまでがピンとくる範囲でポルトガルとかは名前が分かっても場所が呑み込めてないようでした。

アフメッドに俺の家に泊まるか?と聞かれましたが流石に遠慮してお別れ。

バイク小さすぎ問題。セローはどこでしょう。

雨は1時間で止んで後は快晴でしたが結果的に停滞していい時間を過ごせました。キルギスに荷物届くまであと10日くらいはありそうなのでのんびりしていきたいです。

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