セロー250でユーラシア大陸横断 53

9月12日

昨日から壊していたお腹は翌日更に悪化してしまいました。体中から力が抜けていて動く気力もありません。なんとか12時過ぎにテントを片付けて出発したものの、昨日よりさらにふらふらと危うい状態で崖上のダートを走ります。

渓谷を抜けてからは開けた展望が良かったのですが、まったく写真も撮らず記憶にも残っていません。水で当たったので飲み水を処分したものの、商店がなくて水の補給もままならず下痢で水分だけが出ていくので脱水症気味に。100kmそんな状態で走って商店を見つけたときはお腹を壊しているのも忘れて500mmlのエナジードリンクと1Lのジュースを一気飲みしてしまいました。

国境沿いの警備に軍人が3人一組で歩いて巡回しているのをよく見かけました。小銃の銃口が日差しでぎらぎらと光っていてちょっとおっかないです。たまにフレンドリーなひとが砕けた敬礼を飛ばしてくれました。

2回ほどミリタリーチェックを越えて峠の手前で野宿。ここを見つけた時は安心して気が抜けたのか、1時間ほどその場にぶっ倒れていました。日が沈み切ってからテントを設営。

9月13日

キルギスのさくらゲストハウスで旅仲間の人にいただいた下痢止めと抗生物質を飲んだので症状がだいぶおちついてきました。意識して水を多めに飲んでいたので脱水でふらふらするということもありません。昨日は文字通りぶっ倒れて眠ったので久しぶり一度も目覚めず快眠です。

ダートの峠で標高を一気に上げていきます。ここ数日の暑さからギャップが激しく慌ててダウンを着用。山もこれまでと打って変わって草地を抱えたゆるやかな形に。

峠を越えるとこんな看板が現れました。なんと首都ドゥシャンベにつながるこの道には地雷が埋まっているのです。地雷原を走るという貴重でうれしくない体験。もちろん道路上にはないので安心ですが、いまでも放牧された羊がたまに爆死するとのこと。爆発音を聞いたサイクリストにも会いました。

地雷なんて余計な置物はありますが風の音だけが響く穏やかな谷です。

体調は良いものの失った体力は回復しきっていないので、今日も日陰を見つけて休憩。ここ数日はこういう時間を取っていますが、走りながらしっかり休憩をとると体調の良いときもツーリングをより楽しむ余裕が出てきます。3年旅している今もついつい走ったり写真を撮ったり夢中になりがちです。

橋を埋め尽くす羊のケツ。ちょっと足でぐりぐりちょっかいかけたくなる可愛さ。崖沿いの道を抜けると川沿いから外れ、アップダウンの激しい峠になりました。サイクリストに多くすれ違いますが、見ていて思わず気の毒になるほど走りにくい道でした。バイクでも疲労が募り、ドゥシャンベに着くころにはまたぐったりしてしまいました。

ホステルに到着。ゲートを開けた瞬間10人以上のサイクリストにじろりと見られ、ちょっとアウェー感。バイクの修理や体を休めるためにしばらく停滞したいと思っています。

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