セロー250でユーラシア大陸横断 19

6月10日

みんなとお別れ。あっさりとしていて湿っぽくないのがいいです。以前取得したロシアのトランジットビザを受け取りにウランバートル市内のロシア大使館へ。雨が降っているし久々の市内はやはりひどい渋滞と運転でうんざりします。予想通り待たされパスポートを無事ゲット。

割れたミラーを買おうと以前行ったバイク屋へ行きますが在庫がなく、紹介されたヤマハのショップはまたも休み。いくまでに1時間以上渋滞の中走って色々とピークだったのでここで諦め、ぶっ飛ばしてウランバートルから脱出しました。

ゴビ砂漠を目指して南下していくと緑が少なくなり、山のない平地になってきました。300kmも走ったところで倦怠感がきつくなり、景色の良さそうな方へ入っていって遠くに山の見える丘の上で一休み。砂の多いダートでフロントが食わないのが恐ろしいです。時折穴からネズミが飛び出してきて癒されました。

1時間くらい何もせずいたらこのままここでテントを張ろうか、という気になって設営。カバンからテントを出した直後から強風になって大変でした。室内も砂だらけに。

南下してからずーっと暑さを感じていましたが、日没後もかなり温かくシュラフカバーで十分です。ウォッカがきっかけでここの所食べすぎ飲みすぎ吸いすぎだったお腹を壊し、正露丸を服用。

テントがかなりひしゃげて不安になりながら夜遅くまで電子書籍を読みふけりました。

6月11日

昨日はどんよりして夜は雨も降りましたが、今朝は風も穏やかで快晴。180度地平線の景色で改めて見るととてもいい野宿地です。

今日は景色に変化がなく、ずーっと平坦な砂地の荒野を見ながら走り続けました。1日中暑く、町と町の間には150kmほどの距離があり、その間は遠くにゲルが見えるくらいで道沿いに建物はありません。

町につくごとに冷えたジュースを買って人休みしました。

舗装路がとても荒れていて大穴が開いており、油断できません。頻繁に舗装路が通行止めになり、う回路でダートを何キロも走ります。大型のトラックやバスが車線など関係なく縦横無尽に走っています。道が緩く調子に乗っていると80kmで砂に突っ込み冷や汗をかいて涼をとることが出来ます。

ラクダもたくさん見かけました。毛を刈り取られるとだいぶこぶがするどくなりますね。羊やヤギの子供も多く見かけましたが、やはりどんな生き物も子供は可愛らしいです。ひょこひょこ歩いているのを見るとたまらなくなり、写真も撮らぬまま眺めていました。

15時ごろに立ち寄った街でやっと今日初の食事。暑いのに適当に指さしたいおかげでアツアツの麺が登壇。こわしたお腹にはかえっていいかもしれません。

18時過ぎに山の見える街に着き、この先きっと野宿が続くし今のうちに宿に泊まっておこうという気になりましたが思うような宿が無く、3件回って諦めて街を出ました。

町を出ても左手にずーっと鋭く高い山の展望があり、たまらず左手に入って丘を登っていきます。相当緩やかで平坦な斜面を登っていくとやはり平坦な台地があり、それなりに高度を稼いだのか振り返ると草原が地平線まで続いているのが見えました。そして目の前には当然目指した山脈の景色。最高の野宿地です。

あまり天気がよくありませんが、風もあたたかく快適。コーヒーを沸かしてチョコレートを食べ、あとはぼんやり暇をつぶしました。今日はだいぶ寝過ごしたので昨日よりはだいぶ体調もいい感じです。

来たときは4Gだったのに少し使うとG以下になってしまう野宿電波あるあるに翻弄されながら一夜を過ごしました。

6月12日

少しもやが出ていましたが晴れて山が美しい野宿地。10時30分までのんびりして出発。気持ちのいい舗装路を山に向けて快走していくと、青看板があり左手に何かありそうです。寄り道してみるとゲートがあり、国立公園の入り口のようでした。入場料が120円だったので入ってみることに。

最高の景色です。平地からいきなり切り立った崖のある山に挟まれながら、更に行く手に山の景色。おそらく雪の時期には雪渓になるであろうという地形や植生でとても美しいです。

奥まで走り切るとホースキャンプという場所があり、ここからは歩きか自転車か馬のみ。一応いくらなのか聞いてみると15000トゥルグ(600円)!?驚きの回答。

おじさんに商売っ気が全くなく、穏やかな感じなのが気に入ってとりあえず乗ってみることに。おじさんも別の馬に乗り紐を持つという引馬ですが人間の駆け足くらいのペースで進んでくれるのでかなり楽しいです。最初は揺れがきつく感じましたが、コツをつかんでからは気にならなくなりました。

見上げるほどの崖の間を抜けながら時折小川を越えながら進み、最後は雪渓のある谷でゴール。おじさんが煙草をくれたので一服して引き返しました。馬に乗る他のモンゴル人ガイドのおじさんが馬を寄せてきて、馬上であいさつと握手。フレンドリーでした。

1時間近くかけてほんとに600円なのかなとほのかに疑問でしたが、むしろゴールしてもおじさんがお金を受け取るのを忘れていたくらいで杞憂でした。追いかけてお金渡して国立公園の道をバイクで引き返します。

舗装路に戻ると両サイドもこもこの山と雪渓の跡が続き美しく、道もきれいで楽しいツーリング。途中谷へ入って休憩すると、高山で咲くような種類のお花畑が広がっていていました。

30kmも走ると天気が荒れ風が強くなり、町が出てきたので食事休憩。水なども買ってもうここで泊まろうかと思いますが、町で唯一のホテルが営業してないのか泊まれずしぶしぶ走ります。疲れていたので街を出てすぐのところで1時間くらい寝転がってました。

ゴビ砂漠は砂漠と聞いてイメージするような砂丘の景色が一部しかないそうです。そこを目指して走っていこうと思うのですが、町から西へ進んでいくとグーグルでは道があるところがただの荒野でひたすらにダート。しかも数キロ進むと深い轍の砂になり、フロントが暴れ止まればリアがスタックしかけ、とまさに地獄。

あんまり疲れて休憩してたら立ちゴケ。

ズボンをマフラーで軽く焦がしながらなんとか砂地を抜けてしまったダートの上を走るとテンションが完全にハイに。

マップの方向と現在地のみを頼りにしながらあとは信用できる締まったダートを選んで走っていきます。そのうち風景ががらりとかわり、地面が黒くもこもこと巨大なラクダのこぶのような山が乱立した地帯に入ってきました。ここがまるでオフロードコースのように曲がりくねり、斜めに登り下り、こぶ。ハイなテンションに拍車がかかりほとんど止まらずに走り切ってしまいました。

また荒野に戻ったのですが、360度山に囲まれた不思議な場所でゲルもほとんど見えません。平坦に見えるところでも道が曲がりくねり、やはりオフロードコースのように掘れたバンクが続きます。何台かすれ違ったツアーっぽい車に呼び止められたのですが、煩わしくてスルー。しかし走りながらもしかしてこのまま進むのはガソリンや食料的に問題があるのかな、と少し不安になりました。

19時を過ぎて完全に視界が逆光になり、疲労も再び感じ始めたのですぐ近くにあった山の裏手に回り、テント設営。しかし山から吹き下ろす風でテントが何度も吹き飛び、大苦戦。ペグを打っても無駄。

なんとか設営したころには疲労困憊でした。岩がちでペグがどんどん曲がっていくのも困りました。

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