セロー250でユーラシア大陸横断 120

9/15 

増水もさほどしていなくて林道を無事に脱出。雨上がりで景色がけぶっていて、遠くに薄ら見える教会の形が綺麗。飯を食いにビストリツァという街へ。

パン屋が見当たらずおしゃれなカフェに入ると、店長のマイケルがよく来てくれたねとコーヒーをおごってくれました。

そのあと見つけたパン屋も店員さんが感じ良くてケバブがペプシ付き480円。三種類のソースとマヨネーズを塗ってくれて全部説明してくれる。北に来るにつれて優しい人が増えてきて嬉しくなってきます。

ケバブも具沢山で美味い!やはり軽食はいい感じです。

雨もぱらつくし観光するか悩みましたが、せっかくなので五つの修道院というとこへ向かうことにします。予約してる宿から離れていて、雨の中だとハードな道のりになりそうです。

案の定小雨でも走り続けるとめちゃくちゃ寒い。今日はこれまでにも増して素敵な家がどんどん現れるので天気関係なく楽しめてるのがありがたいです。

南部は家の隙間がなくギチギチに家が並ぶ通りばかりでしたが、北部は庭のある家が多く間隔が広い。土地は南部のほうでも十分にあるのにこの距離感の違いが不思議でした。もし自分が暮らすなら離れてるほうが断然いいですね。

峠を降りた先の村でカフェに入るとおばちゃんに絡まれて翻訳話しました。別れ際投げキッスされてラテンのノリにビビる。

ガソスタで給油したらフランス人ライダーのオリヴィエ、クリストフに声をかけられました。オリヴィエが南フランスに住んでるらしく、近くに通ったら泊めてあげると連絡先を教えてくれました。

ガソスタのすぐ近くにファーストフードの店があってシャウルマを頼むと安くて美味くて最高です。

目的地の五つの教会の一つヴォロネツ修道院に着きました。傘みたいに丸く広がった木の屋根が特徴的で外壁や中のフレスコ画も綺麗。

5つの教会というくらいなのでほかに4つは見どころある教会があったと思われますが、宿への距離を見たら170kmあり、既に15時だったのでそれどころじゃありません。

急いで今まで来た道を戻り分岐を曲がって山道を走りボグダン・ボダへ。

僕にしては結構飛ばしていたのですが、途中更に気合の入ったBMWに抜かれ、そのままハンドサインで停まってと指示され、降りてみるとモルドバから来てるアンドレイに話しかけられました。かなり人懐こい男で英語は出来ませんでしたが、笑顔のコミュニケーションに癒されます。

その後も意外と長い日中に安堵しながら家や教会の写真を撮りまくります。急ぐにはもったいない建物ばかりです。黒い木の屋根が特徴的な教会や家の形が可愛らしくて最高。

やはり人がフレンドリーで走ってる時も止まってる時もよく手を振られました。

完全に暗くなる前になんとか宿に到着。広い中庭のある素敵な建物。ホームステイっぽい宿です。オーナーのグレゴリーが荷物もほどく間もなくいきなりお酒勧めてくれたました。りんごの自家製蒸留酒。こないだもらったシュナプスと同じ系統の味です。

散々指をくわえて見てきた素敵なルーマニア建築の民家に泊まれて、しかも人も良い感じなので明日も宿泊することにしました。

9/16 

ポクポクという馬の蹄が道路を蹴る音で目が覚めて、これまでの人生でもトップクラスにご機嫌な朝。写真は撮れなかったけど素敵なハットをかぶったおじさんが馬車の荷台に揺られ去っていく後ろ姿が見えました。

腹が減って近くの街までシャウルマを食べに行きました。超快晴だが寒い。村間の移動でも車の流れが速すぎて疲れます。晴れで移動しないのが勿体無い気もしますが、体の疲れが凄いから村の近くでまったり過ごす、これで正解かも。

昨日美味かったしとシャウルマビックサイズ頼んだら飲み物つけて1000円近くするが生地が足りないほどの具とソースがかかっててめちゃうまい。アヴェンジャーズの最後のシーンで美味そうだったんでちょっとあこがれてました。

大きさも顔よりでかいくらい。半分くらい食べて宿に持って帰ります。

教会の牧師さんの後をついて村を練り歩くひとたち。

教会にあった馬車パーキング。

宿のある10km圏内をバイクでゆるーっと回るだけで幸せになるくらい、のどかで美しい村でした。宿ってお土産のシャワルマでビール飲んで昼寝します。

せっかく素敵な宿に泊まるので手作りのディナーを頼んでみました。フランスから仕事でこちらに来てる青年と同席で、食べながらあれこれ解説してくれます。

パプリカと肉団子のスープが出てきて旨いけどこれで終わりかあと思ってたら、鶏肉のコンフィ?や豚肉のめちゃ美味いグリル、ウインナーなどたくさん出てきて腹一杯。おいしいものしか出てこなくて夢のようです。自家製のワインも最高でした。

値段は失念しましたが、全然高すぎることはなくて大満足です。ルーマニア、飯美味いじゃん!

しばらく食後にまったりやってるとブダペストから来たルーマニアの人たちが休暇で来てるとのことで、宴会に混ぜてくれました。フレッシュなブルーベリーワインや梨の蒸留酒を飲ませてもらってベロベロ。

自分の国の食べ物や強い酒をよその人にふるまいたがるのは万国共通ですね。飲み食い大好きなので嬉しい限りです。さすがに飲みすぎを自覚していましたが、日本代表として最後まで宴会を楽しんできました。

9/17 

さすがに二日酔いしましたが、早起きして水をたらふく飲んで二度寝したらなんとか収まりました。

出発しようとしたら宿の奥さんにこっちおいで、と言われ裏庭にある本宅?に案内されました。昨日酒の席で「ルーマニアの家や伝統服は素晴らしい!」と言ってたのを覚えてくれてたようで、宿じゃないスペースの作りや家に置いてある伝統衣装のコレクションを見せてくれるというのです。お酒飲めてよかったー!

なんと伝統衣装を着させてくれました!白の可愛いレースの服に革のベスト、皮だけで編まれた靴にハット。絨毯なども現場手作りしてるそうです。結婚式の時に使う美しい衣装も見せてくれました。一生思い出に残りそうな体験です。

お礼をたくさん伝えて昼前にボゴダンボダを出発。しばらくすると大きな木造の教会にたどり着きました。

これまでの中で1番の規模と美しさ。狙ったわけではなかったんですが日曜のミサが開かれていて、たくさんの人が歌う讃美歌が静かなのに力強くて、これまた素晴らしい体験になりました。

伝統衣装を若い人も着てて素敵な光景。大きな教会を出たあともたくさんの村で人が出歩いてそれぞれの教会に集まっていました。信仰が生きている感じがします。

今日はファーストフードが見つからず腹ペコで山越。ルーマニアからハンガリーを目指します。国境の近くまで来たところでやっと空いてる店見つけてまたシャウルマ。なんか二種類あるよと言われたのでおすすめで頼んだら具とパンが分かれてプレートで来ました。これはこれで食いやすくて良い。

腹減ってたのに食べ出すと苦しくなるから不思議です。最後に給油してアイスとコーヒーでルーマニアレクを使い切りました。

国境に着いたらバイクをたくさん積んだトレーラーの人たちに声かけられて記念撮影。すごくいい遊ばれ方をしてそうなKTM。

国境はパスポート別の列になっててオールカントリーの列に並んだら結構待たされます。ルーマニアファースト。日差しが暑くてしんどいです。ハンガリーと1時間時差なのか国境来たら時計が切り替わったのが面白い。

ハンガリーに入国。

平坦な住宅地と農地をひたすら繰り返す道で眠くなる道のりが続きます。地図見ても面白そうな地形が皆無で寄り道もやる気が起きません。片耳にワイヤレスイヤホンして音楽を聴きながら乗り切りました。

もうスロバキアに抜けようか悩みますが、ブダペストは見たいから頑張って走ることにします。

夕方レストランを見つけてやたらめったら美人の店員さんに助けられながら注文すると、豚肉ときのこのソテーが出てきました。味が濃くて美味い。値段は1800円とかなりしてしまったがちゃんと美味しいものが出てくるなら許せます。

横にあったスーパーでビールを買って野宿地を探します。農地の横の森に寝れそうな場所を探してると、偵察に入った藪から抜けた瞬間イヤホンの接続が切れる。ぶわっと嫌な汗をかいてポケットを探るとiPhoneがありません!

藪の中に落としたみたい。広大で尚且つ道の跡がたくさんありどれが自分の通った場所かわからない。携帯に近づくとイヤホンが接続されるので、こまめに起動して当たりをつけ探します。

なんだかんだ出てくるかと思いきや本当にダメで、這って歩くと腕や足が草のかぶれや虫刺されで腫れ上がったりました。暗くなってきて諦めかけた時謎の直感で携帯を発見。普段は祈らない神に感謝しました。実に捜索から2時間経過。

特に今日はいい写真が撮れてたし失った時のショックで立ち直れないところでした。こまめにバックアップしたいですね。森の中にテントを貼ろうとしたら疲れが出たのか立ちゴケして、バイクが木にひっかかりました。ハンガリーのビールは中々うまいです。IPAが爽やかでいい。

今日から野宿なのにしこたま汗かいてしまってちょっと不快です。

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