6.5
モンゴルはビザなしで30日滞在できるルールなので一度出国して戻ってくればいいのでは、と気が付きました。
ロシアビザのオンライン申請書類を記入して、ホステルのコピー機でプリントアウトしてもらいます。さっそく大使館へ向かうことに。リマ達がお寺に誘ってくれたのですがいけなくて残念です。
10時ごろについて申請書類に生年月日とバイクのナンバーを書いて、写真を張り付け書類一式を出してスタンバイ。パスポート、国際免許、通関書類、強制保険。
しかし待ちに待たされ2時間経過。英語通じるしみんな感じの良い職員さんでしたがまさかのビザが3日しかもらえず。水曜に申請して受け取りは月曜日の12時です。
申請費用の31ドルを指定のTDB bankで払ってね、と言われたのですがその銀行が見つからずうろうろ。振込先が決まってるならどこでもいいんじゃないの?と適当なバンクに入るもTDBへ行きな、と言われます。
昨日から携帯のデータ通信が使えず銀行の場所が不明なので先にモバイルショップへ。予想してましたがプリペイド式なのでチャージが必要なようでした。ウランバートルで買えばよかったな。
googleマップで探すとオフィスではなくATMばかりが出てきてしまって何キロも歩き周り、嫌になって優先順位変更。
おいしい羊肉のケバブをたべて、釣具屋で釣り竿とルアー購入。前のやつはバイカル湖のダートで落っことしたのです。リールに糸もまいてもらって満足。これでモンゴルで思う存分遊べます。
銀行についたものの支払いにカードが使えず、ATMを使えば機械が壊れ、他店のATMは2か所連続キャッシュ不足。もうこの日はあきらめて宿に。
リマに会うとモーターサイクルフェスに行く友達が到着したとかで、一緒に会いに行こうと誘われます。でかいホテルにたくさんのバイク。
ウォッカを買い込んで部屋で盛り上がりました、いいひとばかりで頻繁に英語でしゃべったり、いまのはこういう意味だよと訳してくれたりするのでとても楽しめました。ぼくのビザの問題をリマが話すとかなり真剣に話し合ってくれていて申し訳なくなるほど。みんな話がうまくてジョークが最高でした。
あればあるだけ飲んでしまうたちなのでそそがれては一気にあおりを何度繰り返したのか…。
24時前に僕らは門限のために帰宅。フェスでまた会うのが楽しみな人たちです。別れ際もう1杯注がれたので一気にあおるとみんな爆笑。ん?と思っているとロシアの伝統なんだ、と
リマともう1人が腕を交差させてウォッカを飲みかわすのを見せてくれました。なにそれかっこいい…。
リマと僕は歩きながら酔いが回ってきてハッピーに。大変だけどいい日になったなぁ。
6月6日
さすがに今日こそは出発だと張り切って支度。若干二日酔いだったので水をがぶ飲みしてあさごはんも多めに。リマも微妙な顔で調子どう?と聞いてくるのでぼちぼちと答えると俺もだと言われました。別にみんな超人的に酒が強いわけではないんですよね。
9時過ぎに出ると雨が降ってきてげんなり。仕方なく銀行へ向かいますが、今日もATMばかりで店舗が無し。1km進むのに10分以上かかるような道路でこの状況ですからかなりのストレスに。
なんとか店舗を見つけ支払いを完了して出発したのが11時くらい。ウランバートルを東に進み、テルレジ国立公園の方へ向かってみます。土日に祭りがあるので適当に近くで野宿を楽しんで帰る予定。
郊外に出ると道路が建設中で迂回させられ、なん十キロものダート。しかし街中同様すごい交通量と速度で道路の周りは砂ぼこりで真っ白。本当に霧のようです。酷い割り込み運転に砂をかけられ視界がホワイトアウトしました。
我慢ならないので70km巡行で追い越しをかけ続け常に先頭に。それでも次々と車列が前に現れるので相当疲れました。
ガソリンを入れておいしい昼食をとりいざテルレジ!と思ったらそっち方面がひどい空模様で、左手の山の方は綺麗に晴れていました。予定変更して晴れている山の方へ走ります。
道路から抜けてダートを走り草原へ。あわよくばこのまま山越えを楽しむ魂胆。
すぐにゲルがあり初めて近くで見たので感心しているとおじさんが寄ってけよ!と手で合図するので行ってみることに。
羊の睾丸をナイフで切り取る作業を見せてもらいました。食え!強くなるぞ!という押しの強い誘いを断れず、おじさんがお手本まで見せだしたのでええいままよと口に放り込みます。
物がデカいのでえずいて吐き出し、今度は一気に飲み込みました。味は不明。
しかしなんて切ない目を…。
たぶん近くに住んでるにいちゃんとその息子さんがきました。フレンドリーでめっちゃ良い親子。バイクの話をたくさんしました。
お別れして山の方へ。
この体験を言葉ではうまく伝える自信がありません。丘のような山をなるべく道を探して進み、無ければゆるやかな斜面を探して登っていきます。雪解けの時期に川になるであろう深い亀裂やたくさんの岩、くぼみ、草原は危険がいっぱいです。
しかしこんな絶景なのでゆっくり走るくらいでちょうどよく、心地の良い時間。遠くに川がみえたのであそこに降りて野宿…と考えましたが険しすぎて諦めました。
写真を撮ってると帰りたくないと駄々をこねだしたセロー。左のミラーが割れてしまいました。
辺りで一番高いところに上ると若干緩やかな土地があり、岩も少なめで背後に突き出した岩場、左手に杉林、目の前は急斜面と風も少しは防げそう。そしてもちろん絶景です。野宿地に決定。
野宿といえばその点ゲルを使う遊牧民はすごくて、いい土地はみな抑えられていました。雪解けの時期には川になるところの近くで開けてて四方を山に囲まれた平坦な場所です。道中も緩やか。完璧。
しかし楽な道を通ろうとすると必ずゲルがあるのですが、放し飼いの犬が凄い速さで押しかけてくるので恐ろしいです。推定時速30km弱。足場の悪いところからゲルを眺めている時に追われるとひやっとします。
設営後はぼーっと過ごしました。街が見えるので面白い景色。米炊いてまるこめの味噌汁を作ったらうますぎて感動。夕方遠く下の方でバイクが牛を追って土地に戻していてるのを眺めながらビールを飲んでいました。