セロー250でユーラシア大陸横断 57

9月25日

昨夜遅くしみじみと最後の夜を楽しみながら読書をしていると、左足の小指にちくりと痛みが走りました。長時間同じ姿勢を取っていたせいかと気にせず本を読んでいると、不意に皮をはがれその場所をまさぐられたような激しい痛みが襲ってきました。さすがに焦って寝袋をまさぐるとブスリブスリ、とふとももに追加で2回。

寝袋を裏返すとなんとサソリ!小さなやつですが生で見ると恐ろしい姿をしています。しかも驚いているうちに消えてしまい、慌てて狭いテント内を家探し。なんとか見つけて前室にたたき出しました。

お気楽なほうですが流石に毒があるかもしれない生き物に刺されると気が気ではありません。しかし今慌てても電波もなく、ほぼ深夜の時間帯にこんな崖沿いの道が走る山奥から病院に駆け込むこともできません。最後の一服だったら嫌だなとたばこを吸い、運を天に任せ案外あっさりと就寝。やはりお気楽野郎でした。

ちゃんと朝がやってきて一安心。とはいえ若干体調が悪いです。水が200ccしか残っていないのでたまねぎとウインナーを炒めたものを食し撤収。なんでこんなところにサソリがいたのだろうという景色です。

これで150円くらい。安すぎます。

崖を越え集落の間を通り川沿いの道を走って元の舗装路へ。食堂でご飯を食べつつサソリについて少し詳しくなりました。ネットの情報ですが、サソリの種類は約1500種類以上いてもそのうち人に効く毒を持つ個体は20種程度とのことです。さらに症状も痙攣や失禁など様々ですが、今の自分の状態とは重なりません。少し様子を見て悪化したら病院へ行こうと思います。

国境手前最後の町パンジケントのバザールに寄り道。完全ローカルなバザールで活気があり歩いていて楽しい場所でした。

13時過ぎに国境に到着。列が出来ていましたが、ツーリストは並ぶ必要はないよと地元の人が教えてくれてゲートに入れてもらいます。覚悟していて憂鬱ですらありましたが、やはり書類にケチをつけられます。タジキスタンは45日滞在可能なビザを取得して入国するのですが、滞在日数が過ぎているというのです。9月2日に入国していまは25日なのでそんなはずはないので話してみると、この書類ではバイクは15日しか滞在できないと言い出します。

入国時にそんな説明は一切なく、そのうえ書類作成に10ドルも支払っていました。全く筋の通らない話です。この流れは来るぞ…!と思っていると案の定罰金を科すから金を払えと言い出します。戦いが始まりました。

急に英語が分からなくなる(体の)僕VSグーグル翻訳を突きつけけてくる賄賂オフィサー。
戦いは1時間程度続き、最後はオフィサーが耐えかねて半ギレで行って良しという捨て台詞をはいて退出。

キルギス出国で賄賂を払わされてずっと悔しかったのでついに得た勝利、快感です。いや揉めないのが一番なのですが。

ウズベキスタン側の国境はとてもフレンドリーでバイクの通関書類もロシア語だと記入できないと伝えると、係員が代筆してくれるほどでした。これまででは考えられない親切さ。しかし荷物チェックは厳しくすべてのカバンをあさられ銃とドローンはないかと何度も問われました。バイクはまだいい方で車はエンジンルームも開けられ、麻薬取り締まり犬が車の中を縦横無尽に駆けています。毛だらけになりそう。アレルギーのある人は気の毒です。

バイクの書類にもお金は必要なかったのでほんとうにすっきりとウズベキスタンに入国。6か国目の国になります。国境出てすぐの売店でタジクのお金ソモニをウズベクのお金スムに両替。10000スムで100円くらいなのでモンゴルを思い出す財布インフレ状態。

タジクよりだいぶ走りやすい道をしばらく走るとついにサマルカンドに到着。しかし国境を越えたあたりからどんどん体調が悪くなり、ホステルにつくころには発熱と頭痛。夢に見ていたサマルカンドの街歩きを目の前にしながらまさかのおあずけです。

サソリのせいなのか賄賂オフィサーとのストレスなのか。油で揚げてバリバリと食ってやりたいところです。どちらも。

夕方までぐったりしたあと食欲は出てきたので散歩がてら夕食へ。広い公園の遊歩道を歩いているとふいに現れる巨大で複雑な模様を抱えたモスクが!来たい来たいと思っていた場所ではありますが、想像を超える良さに圧倒されます。ベストコンディションで見たかったので薄暗い今日はあえてあまり見ず、明日早起きして街を歩くことにします。飲んだ薬が効いてきたのかご飯を食べ酒も飲まず宿でのんびりしているとだんだん体調が回復。

明日が楽しみで仕方ありません。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
スポンサーリンク