セロー250でユーラシア大陸横断 33

7月11日

目の前の山に雲一つかからず絶景です。テントを片付けて草原を走り出すと最高の気分。2日こもった後のバイクが楽しすぎます。道中湧水を酌み、山間の道を抜けるとまさしくイメージ通りの荒野の岩山の景色。

荒野を抜けると地平線が眼下に現れぐんと高度を落として下界に向かっていきます。涼しくて心地の良い気温も気持ち上昇してきて背後が名残惜しい気持ちに。

街に着きました。朝ごはんを食べずに昼になってしまったのでお店を探していると、
車がたくさん止まって人気そうなお店を発見。しかし入ってみるとどうも地元の人の宴会のようでした。あら残念と外へ出てバイクに乗ろうとすると、中にいたおじさんが追いかけて声をかけにきてくれました。

ごちそうの乗った円卓の1つに案内され、どうぞ食べてくれと言われて困惑。しかし周りの人も進めてくれるのでお呼ばれすることにしました。プロフにボルシチ、パンにチーズにハム、サラダ、チャイに桃のジュース。どれも美味しすぎて手が止まらないのですが、不思議と量が食べれなくて残念。

僕がきて1時間とせずお開きになったので相当間が良かったみたいです。袋を渡され食卓に残ったものを持っていきなさい、と言われ遠慮がちに詰めてみると見かねたホスト側のおばちゃんが袋がパンパンになるまで詰めて満足そうに笑いかけてくれました。

手伝っていた中学生くらいのかわいい女の子やおばさんたちに笑顔でさよならを言われ、誘ってくれた主催のおじさんと握手してあいさつ。外へ出ると他のテーブルのおばさんたちもぐっと親指を上げていい笑顔。手を振って心も体も満腹で出発です。

街から出てすぐのところに水が出っぱなしで噴水のような井戸を発見。珍しく人も居なくて独り占めだー!と嬉しくなりすぐに服を脱いで飛び込むと、刺すような冷たさ。5分も浸かっていたら低体温症間違いなしです。携帯バケツで頭から水をかぶると冷たいけど気持ちよくて病みつきの快感。ぬるくなったジュースを冷やして飲み終えたら水を補充。

服着たころに人がかわるがわるやってきてちょこっと会話。この界隈はみんな人懐こいです。

郊外をしばらく進むとバイパスのような道に。のんびり走っているといろんな車から手を振られたりクラクションであいさつされたり。そのうち1台は写真を撮らせて!というポーズをして僕の前に止まり、路駐禁止の所でしたが逃げるのもどうかと思ってしぶしぶ停止。でもいい人たちでした。

また地平線と遠くに山の景色ですが、今日はいいことがたくさんあったので上機嫌で走っているとあっという間に距離が進みます。

ロシアの友達リマに教わった国立公園にやってきました。バイクの入場料750テンゲ。とても大きな渓谷を上から展望できる絶景。バイクはほとんど走らせることが出来ませんが、歩いて景色を満喫。

下に降りていくことも出来そうでしたが18時過ぎだったので日が長いとはいえ今からトレッキングもな、と思ってしまい崖の上をあちこち散策するにとどめました。でも十分すぎる体験です。映画やインスタでしか見たことのない海外!というイメージがそのまま形になったようなスケールでした。

帰りざまトレッキングしていたバイク集団のオーナーたちに手を振られ公園を出ます。崖から遠くに川が流れているのが見えたので、今日は絶対渓谷の川沿いで野宿すること決意していました。下流は通ってきたはずなので上流方面に。アルマトゥイとは逆方向ですが、そう距離は必要ないはず。

岩山に囲まれたすばらしいコーナーがたくさんあるツーリング道路を抜けると予想通り渓谷にかかる橋と川を発見。手軽に降りられる河原を見つけましたが、橋から丸見えでぴんとこないので周囲を探検。

下流方面の崖へ走っていくと崖に挟まれるように下に降りられる道があり、下ってみると最高のロケーション!

砂利でしたが風もないしサンダルのない身には裸足で歩けるのでよい環境。瀬と流れ込みもあるので釣りもできるかも?とはいえくたくたなのでビールと水を川につけ、すぐにテント設営。

すっかり日が落ちましたがしばらく明るいので何もせず景色を堪能。昼間おばちゃんに待たされたパンにハムとチーズを挟んでサンドイッチ。暑い中歩いてのどがカラカラなので冷えたビールで流し込むとたまりません。疲れているので調理のいらないお土産の存在がありがたく感じました。

ここは気に入ったので何もなければ2泊してアルマトゥイへ向かいたいところ。アルマトゥイ周辺もたくさん山や川や湖があるので街を拠点にしてしばらく野宿三昧出来たら幸せそうです。

7月12日

予想通り暑いけど目の前には谷川が流れています。流れが速いので足だけ浸かって携帯バケツで水を汲んで頭からざぶり。最高です。

タープの下にいてもずぶ濡れの服が30分で乾いてしまうので、バケツに水をため座りながらたまに水をかけ、2時間に1度くらい川へ入って水浴び。濡れてる間は風が心地よくてこれ以上の快楽があるのかというほど。

昨日ひやしていたペットボトルが川に流されてしまったので水がやや心もとないです。それでも懲りずに小さいボトルに水を入れて川で冷やし、昼間からウイスキーの水割りを作って楽しみます。

昼飯にフライドポテト。ついでにニンニクとたまねぎも。オリーブオイルで揚げると甘くなりますね。オイルは取っておいて夕飯のパスタに使いました。

夕方になると川の水量が増えてきたので釣り。やっぱりアタリすらありません。崖を照らしながら日が落ちると月あかりが綺麗な夜になりました。

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