セロー250でユーラシア大陸横断 39

8月13日

今朝もいい天気。あまり眠れず疲れが取れていません。道路に盛り土がしてあって今回の野宿地と隔てられているのですが、そこから道路に復帰する際にかなりの斜度で上り切った後にそのままバイクを投げてしまってミラーの根元がぽっきり。左右合わせるとこの旅3本目です。憂鬱。

ブレーキパッド、ヘッドライトも交換しなくてはいけないので次の大きい街、オシで探そうと思います。

360度4000m近い山々に囲まれながら広い台地を走っていきます。日本にいるとき休日疲れてどこにも行けないときは世界地図を見ながらこんな景色を走ることを夢見ていました。

50kmも進むとゲートになり、どうやらこの先はパーミットがないと通れないようです。地元の人たちに声をかけられて歓談。とてもフレンドリーで別れ際サンドイッチと水をくれました。

来た道を引き返すのも楽しみで仕方ありません。イシククルまでおよそ100KMは景色のいいダートを走れます。湖沼と川が多く、時折釣りをしている人も見かけてそわそわ。綺麗な湖に近づくと、緩やかな川があり岸辺がフラットな草原になっていたので思わずテントを設営。

さっそく釣りをしてみますがアタリなし。瀬のある所まで行こうとしますが、急に天気が悪くなって雨になったのでテントでゆっくりすることに。まだ15時過ぎなので今日は3時間の活動時間。贅沢な旅です。

夕方から雨が上がり、外に出ると西日に照らされた水面と草原、奥に見える山が輝いて見えました。日が沈むとなんともいえない青い空と満月も。

景色のいいところにたくさん立ち寄っている旅ですが、こんなにも何も考えず落ち着いた気持ちになれた場所は久しぶりです。これだけ綺麗な場所ならきっといつかは観光地化されて、そのとき訪れてもきっとこの時の気持ちにはなれないでしょう。それが悪いことではありません。間に合ったという嬉しさを味わうことができました。これからの道のりもこういう場所をたくさん見つけていきたいです。

8月14日

夜遅くからまた雨が降り始め翌朝もなかなかの雨量です。今日は停滞ですがたまにはこういう日もいいでしょう。テントに当たる雨の音が好きです。

このテントのいいところは雨の日も入り口を開けたらそのまま外を眺められることです。僕の過ごし方だとオープンテラスとはいきませんが、縁側くらいの趣はあります。

たまに煙草を吸ったりコーヒーを入れているとかなり冷え込んで寒さが身に沁みます。薄い布2枚程度でこれだけの山岳地帯に降る雨をやり過ごせるのはちょっと感動してしまいますね。

夕方から晴れてきました。湖と川に山と空が写り込んで綺麗。対岸に大量の羊を追う遊牧民の人が馬で歩いていてこんな場所で住んでる人はどんな雰囲気なのか気になりました。

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