セロー250でユーラシア大陸横断 27

6月27日

宿を出てウルギーの市場へ。時間が早すぎて閑散としていました。置かれているものも実用一点張りの日用品のみ。

いい天気で舗装路を走ります。ボーダーまであと30kmほどの町でご飯を食べようとすると、バイクに乗った男に呼び止められました。ゲルに連れていかれチャイとパンをごちそうになります。

大きなゲルでカザフ族のおばあさんと家族が住んでいて、壁には手縫いの布がかかり、暑い日差しの中でもひんやりとして快適です。

このまま泊っていけと言われて12時でしたがそうすることに。町はずれのゲルにバイクで先導されてついていき、馬に乗せてもらったり手作りのヨーグルトをごちそうに。裸の馬で家畜を追いかけまわしていて、まさにあこがれた遊牧民の生活風景。

ゲルに帰ってくると荷物にくくっていたサンダルがないことに気が付きました。明らかに誰かが盗った形跡なので疑心暗鬼。しかしもうお酒を飲んでいたので出るに出られず。ドイツ出身ビシュケク在住のライダー、クラウスもつかまっていました。

このあと最初に声をかけてきた男の家に連れていかれて、彼の2人の娘と犬になつかれ散々遊びまわりました。今日1日で2Lくらいチャイを飲まされてお腹たぷたぷ。

6月28日

薄々察していましたが案の定お金を要求され、まあサンダルの件はともかく世話になった分はと支払おうとすると安宿の3倍ほど請求されて静かに堪忍袋の緒が切れました。値切り倒して相場のそれでも高く感じる額を支払い。

さっさと出発したいのですがクラウスの準備を待ってボーダーに。30kmダートを走ってモンゴルの通関へ。仕事はやっぱり遅いですが出国は思ったよりスムーズ。ゲートを出て走り出すといきなり舗装路で、しかしモンゴルらしい草原と山の景色。

ロシアの通関へ。あまり思い出したくもないのですが本当にひどい仕事ぶりで6時間も待たされて出国。クラウスの他にも2人のドイツ人ライダーがいたのですが、早く来た1人は8時間待ち。ロシアの悪い部分を初めて垣間見ました。

クラウスが出国の際に揉めて動けないのでお別れし、最初の街まで50km走って銀行ガソリン飯。久しぶりのロシア飯がほんとうに素直な味で感動します。ちゃんと調味料が使われてて肉が生臭くない。幸せです。

遠くに雪山が遠望出来て綺麗な眺め。舗装路も快適で程よいカーブを楽しんでいると山に囲まれた綺麗な川沿いの道に。良さそうな場所を見つけて入っていくと川沿いの森の中にテントを張れました。道から近いですが、森の入り口にロシア人家族がテントを張っていて安心。

ビールを川で冷やして薪を集め、ぼんやりしてから缶詰パスタをやって一服。日が落ちかけてから1時間ほどたき火を楽しみました。燃え残りもなく美しいたき火跡があったので僕も利用。モンゴルでは森の中で川見ながらたき火なんて贅沢なかなかできません。そもそも森が少ないので。

やっぱりロシアが好きです。モンゴルも一筋縄でいかないところは魅力だと思うんですけどね。野宿中に予備の携帯も盗られたことに気が付いてしばらく落ち込みました。

あやしいと思いつつ無防備だったのでいい勉強になったのかも。楽しい時間でもありましたし。とはいえ一度こういう目に合うとほんとの善意の人も必要以上に疑わねばいかず、それが最大の呪いだと思います。

下れ天罰。

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