セロー250でユーラシア大陸横断 83

6/18〜19

セローも直り荷物も積んで、ついにユーラシア再開横断再開!メーターは86500kmから動き出します。日本を出た時が確か46000kmくらいだったので、今までの工程は半年で4万kmくらい。

10時に宿を出てgugutiという街にあるアルメニアの国境を目指していきます。混雑したトビリシを抜けると北海道のような丘の景色や、山の上にある教会を見ることができます。

国境手前でバイク保険に加入。以前旅仲間の方が期限切れで100ラリ罰金を払ったと聞いていたので、出国前ですがわざわざ加入。30日35ラリのものを選びました。

アルメニアに抜けた後はトルコに向かうのですが、トルコとアルメニアは犬猿の中で陸路国境が封鎖されており、一度ジョージアに戻る必要があります。アルメニアには2週間程度の滞在予定なので30日あれば問題なさそうです。

国境手前の山道で大雨に降られて全身ずぶ濡れ、毎日暑いと言っていたジョージアで震えることになりました。

17時ごろに国境についてパスポート、国際免許証、バイクの登録証などを渡します。ところがスムーズに手続きが進まず、英語の出来る職員がやってきて事情を説明されました。

ジョージアでは外国籍のバイクの滞在が3か月までとされており、僕のバイクは3年前に入国したと記録があるのでオーバーステイで罰金の対象だというのです。

金額は1000ラリで54000円にもなります。これを危惧して前回の一時帰国の時にジョージアの仮ナンバーを取得していました。以前使っていたナンバープレートと引き換えにジョージアのナンバーをもらったのですが、預けたナンバーの保管期限が2-3年だと聞いていたので日本で新たに国際ナンバーを発行して、今はそれをセローに取り付けていました。

事情を説明したものの、ジョージアの仮ナンバーと一緒にもらうIDカードが手元になく、証明が出来ないと言われてしまってあとは話を聞いてもらえません。返納が出来れば証明書が貰えたそうで、それがないのが1番の問題でした。

対応が感じ悪過ぎて数時間ごねてみたのですが無理そうなので、諦めて罰金を払うことにしたのですがここからが問題でした。

これから出る国の紙幣を五万円も所持しているはずがないので、お金を降ろす必要がありました。ほったて小屋の中に銀行窓口があり、クレジットカードでキャッシングをしようとするのですが現金が引き出せないのです。

ならばバイクで街に戻ってATMを使って降ろそうとすると、罰金を支払うまでバイクは動かさないと言われてしまいました。お前だけならアルメニアにもジョージアにも行くことが出来る、どっちがいい?などと言われるので歩けというのか?(どちらも街まで山を10km以上走ります)と聞いてみると職員が集まってきて協議。

話がまとまらないのか永遠に放置されます。他の入国者のパスポートにスタンプが押される音を間近で聞きながら、せまい国境のオフィスの中本を読むしかありません。

色んな職員に度々聞くものの待て、か怒り出すの二択で疲れてしまいます。0:00を過ぎて日付が周り、いよいよこれはマズいと思っていると翌朝車で街まで送ると言われました。それまで4時間ほど説明もなく放置。

これまでの対応でそれが何時になるのかも分からず、信用ならないのでバイクの荷物を漁ると3年前に防水バッグに置いてきてしまっていた予備銀行のキャッシュカードを見つけました。

これならば!と思いネット銀行でそのカードの口座に入金しようとすると、なんと月曜日の深夜から朝まではメンテナンス。週一回のハズレを引いてしまい、試すこともできません。

幸い日本時間の方が4時間程度早く進んでいるので、深夜に入金して試してみようとしたのですが、夜もたくさんいた職員が1人を除いて全員寮に戻ってしまったタイミングで、銀行は開けてもらえませんでした。あまりの間の悪さにもう笑うしかありません。

その夜勤の人が唯一いい人で、たびたびお茶やお菓子をくれるので心も乱れます。せめて嫌な人だけなら怒るだけでいいのですが。

日本の旅仲間や宿の友達にメッセージで愚痴りながら、オフィスで過ごす事15時間。ついに朝が来て、お金を下ろすことができました。

スタンプが押されてもにこりとも笑顔を作ることができず、誰の目も見ないまま出国。

アルメニア国境に入る時はせめてにこやかに、と思っていると職員がみんなめちゃめちゃにフレンドリーで囲まれて記念写真を撮られたりタバコを貰ったりと歓迎されました。

荒んだ心身が癒されて自然と笑顔になれました。いい雰囲気ですが、パスポートに押されたアゼルバイジャンのスタンプを見た時だけは、執拗になんで行ったのか友達はいるのか、と聞かれて両国間の関係の悪さをあらためて知りました。

バイクのドキュメントと呼ばれる書類の作成がのんびり作業で1時間ほどかかり、1時間半ほどで入国できました。書類は2週間の申請で5500ドラム、ラリで支払うと42ラリでした。

仲良くなった人に手を振られながらゲートを出てついに入国アルメニア!

入国してすぐのところにバイクの保険屋があります。こちらは2週間加入で60ラリ。たぶんドラムで払うよりだいぶ取られてるような気がします。

国境から見えていた緑の景色にずっとそわそわしていました。走り出すと広がる山の景色に久しぶりに心から感動しました。15時間缶詰されたあとに見ると本当に天国のよう。刺激的すぎる眺め。

街にたどり着くと可愛らしいくすんだオレンジ色の屋根の家が並び、ロシアや中央アジアで見たような古いロシアの車がたくさん走ってきてまた感動。銀行に行ってアルメニアの通過ドラムを降ろします。現在ドラムは0.37円。向かいにsimカードも売っていて、1ヶ月データ無制限で1600円ほどで購入。

先日箸やスプーンの入った袋を無くしたのでジョージアから探しているのですが、食器はあってもカトラリーはなぜか見つかりません。スーパーで懐かしいロシアのビール、バルチカを見つけました。アルメニアは親ロシアなのかな?ジョージアでは一度も見かけませんでした。

人に話しかけられたり給油を済ませていよいよアルメニアでの旅が始まります。舗装路から見える山はどこも道がついていて、ついつい入っていくとキリがありません。景色が良過ぎて進まない最高の旅。

丘の上に立つ教会

巨大な断層がたくさんあって崖の上にも下にも集落が。

見渡す限り草原が続きます。

不眠不休で走ってきたので早めに食料張達。キャンプの準備OK。炭酸入りの水がよく売っていて、ジョージアでは銘柄で見分けられていたのですが、アルメニアではどれがそうか分からないので久しぶりにベズガーザ(炭酸なし)?と店員さんに聞きました。みんな人懐こくてロシア語で挨拶やお礼するとすごく嬉しそうにしてくれます。

ひときわ大きな崖。下には川が流れ、川沿いに小さな集落や線路が続いています。

谷沿いは経験上、野宿に適した行き止まりの林道がないので早めに泊まれる場所を探す必要がありました。18時くらいに入り口が落石で埋まってる廃林道を発見して無事に撮影。対岸の崖には滝見えていい景色です。

ナスのチリ炒めで晩酌。外でインスタントや惣菜以外の料理をするのは数年ぶりな気がします。部品交換したストーブは無事稼働。

アルメニアの友達アルメンに、アプリコットが世界一美味しいからぜったい食べて!と言われていたので珍しくフルーツを購入したのですが、これまで食べたフルーツの中でダントツに甘く瑞々しく、とろける食感。最高に美味でした。夜にかけて大雨が降り、早めに就寝。

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