セロー250でユーラシア大陸横断 20

6月13日

ライトダウンすら重く感じる疲労っぷり。山に登って景色を見たりコンソメスープを作ってみたり。12時までごろごろしてやっとバイクに乗って出発する気になれました。

天気が微妙ですがいいと暑すぎるのでちょうどよいのかも。遠くまで延々山並みが広がるのを見ながら砂の大地をずーっと走ります。見たことない砂山のようなものの間をくぐりぬけていくと、今度は巨大な岩山の間を縫うように道が続いていてとても面白いです。冒険している気分。ほんとうにこの先に街はあるのだろうか…?

岩山の回廊を抜けると景色がフラットになり、砂地に草が生えた荒野を疾走。たまにブルでならされているようで地面がギザギザでバイクはガタガタ。なにか部品を落とすのを覚悟せざるを得ないような振動の中60km前後で走ります。たまに固い地面が掘れて深い轍になり、そこに砂がたまっているという質の悪い罠があって今日もたびたびヒヤリ。

ガソリンが残り2L、携行缶に5Lで引き返すにはそろそろギリギリかな?というラインでついに町へ着きました。山間に隠れた小さな町なので近づいてもそれとわからず、しばらく疑心暗鬼。やっと建物が見えた瞬間の嬉しさと言ったら。

さっそくガソリンスタンドを探していってみると行列が。よくわかりませんでしたがしばらく待っていると、そのうち発電機が回りだして給油がスタート。電気待ちだったようです。満タンにして一安心。

お腹が空いたのでご飯やさんを探すとおじさんに声をかけられ、事情を話すとどこぞへ電話してくれました。しばらくすると近くの宿のオーナーがあらわれ、食堂をあけてくれました。全然関係ないおじさんの親切だったみたいです。優しいなぁ。ご飯はモンゴル風うどん。薄味なのにとにかく量が多くてちょっと苦手な料理です。

宿の値段を聞くとなんと600円とのことだったので15時でしたが泊まり決定。ぼろいですが個室に豪華なベッド。しかし肝心のシャワーがなく、おまけにトイレは屋外に出て200m先。なるほどです。

個人の商店がたくさんあったので5Lの水を買い、ナイフで蓋に穴をあけて簡易シャワー自作。かなりの日差しで熱いのでずぶ濡れでも爽快です。部屋はほどよくひんやりしてるので快適。日没まで部屋でごろごろして少し町を散歩。

こんなところに人が住んでいる面白さ、そこに自分がいる不思議さを楽しめました。

寝ようかな、というころに昼間使えなかった電気を触ってみたらついたので慌てて充電開始。これで600円なら安いものですね。しかしこれは今日も夜更かしになりそう。

6月14日

だらけて11時に出発。今日は天気が悪く、風も強いので先行き不安。町を出るとすぐに荒野になり、川の跡を何度も越える道に。

50kmも走ると砂が多くなってきて、やがて地面にこぶのような砂の小山とそれに生える植物の景色に。遠くに砂丘が見えてきていよいよ!と思い近づいてみることにします。砂丘の近くまでは普通に草が生い茂っているのでとてもふしぎな感じです。

砂が掘れているところはこんな地面。

上に上ってみました。砂の量が違うのか人間が乗っても意外とかちっとしていてそこまで沈み込みません。砂紋が美しいです。頂上につくと砂丘といえばという三角形の頂。風がものすごいのでざーっととてつもない勢いで砂が流れていきます。この砂はどこからきてなぜここに溜まって、そして今からどこへ行くんでしょうね。荒野に砂丘がポツンポツンといくつかあるだけなのでその辺りのことがほんとに不思議です。

砂丘に満足してさて!と思いきや行く手にもまだまだたくさんの砂丘。そして道はそれを縫うように続いているので、当然のように道も砂で埋まっています。走っているとフロントが左右に激しくふられ、あわててハンドルを切るとさらに暴れ、というまるでへたくそな一輪車のように蛇行しては止まりの繰り返し。止まると時にはスタックしかけるのでそんなときはバイクを押しながら走ることになります。

そしてそんなことをしていると風が向かい風になり、容赦のない砂嵐に。ここまでくるといっそ笑えてきます。道が完全になくなってしまい、GPSがなければ相当不安にさせられたでしょう。もうスタックするのが嫌になり、こけてもいいやと覚悟を決めて40kmをキープ。フロントが揺れてもなるべく力を入れずにそっと修正し、あとは下半身をがっちり固めて蛇行しながら無理やり走行。フロントが弱いせいでは?と思い少しフロントの方に体重をかけると若干走りやすくなりました。やはりこんなところを駆け抜けていくラリーストは真の変態ですね。

なんとか砂地を脱出しました。黒っぽい土の荒れた荒野が再び続きます。しかしここでまさかの大雨に。砂漠でこんな大雨に降られるとは。今日は色んな体験が出来る日です。ゴビ砂漠が俺を歓迎している…!と前向きにとらえましたが、だいぶ濡れてからカッパを着て走り出すととにかく寒く、後半は震えてぼんやりと走っていました。

前の町セブレイ・ソムから120kmほど走り、次の町グルヴァンテスに到着!なんとアスファルトがあり思わず感動して写真に収めてしまいました。舗装は町の入り口と中国国境方面のみでしたが。

こんな辺鄙なゴビ砂漠の中とは思えない広い街です。背の高い建物こそありませんか大都会に見えてしまいます。ホテルもたくさんあり、しつこい雨に疲労困憊で街をさまようと中庭のある良さそうなホテルを発見。

個室シャワートイレ付wifiあり1700円!物価を考えると高級宿ですが、たまには贅沢もいいでしょう!ガレージがありバイクはそこに止めさせてもらえました。ご飯でも食べに行こうとバイクにいこうとすると、GSをメンテ中のロシア人ライダーたちと遭遇。お互いの旅をたたえあいます。すると突然日本語で話しかけられました。

ゴビ砂漠にモンゴリアンデスワームというUMAを追い求めてやってきているおじさんで、ドライバーのモンゴル人親子と通訳さんを雇ってゴビには4回目とのこと。月刊ムーにも乗っているようで雑誌を見せていただきました。

車で一緒にご飯に連れて行ってもらい、おごっていただいてしまいました。買い出しして夜は部屋で飲み明かします。UMAの話やモンゴルの内情をとても面白く話していただきました。モンゴルの輸出は鉱物資源がほとんどで、その違法採掘が問題になっているそうです。つい最近も違法採掘を取り締まろうとした警官が殺害されるという事件が近くであったそう。

UMAを探していたら新種らしきミミズのような謎の生物を発見、捕獲されたそうで映像を見せてもらったりしました。確かに異様な生物で体が空けていて中に脊椎のような黒い線があり、すごいジャンプ力があって新種のような気がしてきます。これだけ広大で誰も調査しきれていない環境なら新しい発見があるかもしれない、という説得力がありました。ひょっとしたらニュースになるかもしれませんね。楽しみです。

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