セロー250でユーラシア大陸横断 112

8月28日

朝はシュコダルでピザを買って朝ごはんにしました。なんと100円。安いし、朝から暑すぎてピザの塩気がありがたいです。

アルバニアを出てモンテネグロへ国境越え。この列に並ぶのもあと少し。

さて心配してたグリーンカード保険、入国スタンプの確認ですが全然ノーチェックでした。なんと3分で通過。さらにモンテネグロ側の国境は建物も見当たらず、これまでのセオリーが通用しなくてびっくりです。

シェンゲン協定というルールに加入してる西側のヨーロッパは出入国がフリーなんですが、この辺りは加入してない認識だったので少し振り回された感じがします。

パスポートにスタンプがもらえなかったのが記念的にもトラブル防止的にも残念でしたが、今回は上手い方に転がったのでヨシとします。

ウルツィニという町に着いて、銀行へ。モンテネグロからはついに通貨がユーロに!手数料が妙に高いですが仕方なく150ユーロ下ろして、ついにユーロ生活スタートです。

Simカードはローミングしても使えず、ブルガリアのSimも使えませんでした。数日だけなので、買わずに行くことに。

アルバニアレクを両替する場所が見つからず。一服した喫茶店の店員さんや通りすがりの人、銀行などで声をかけて情報収集。

マーケットにバイロという男がいる、彼に声をかけなさいと何人かの人が教えてくれたので道も尋ねながらマーケットにたどり着きました。

肉屋でバイロさん知ってる?と聞くと呼んできてもらえて、町で噂のバイロさんとご対面。ちょっと見た目怪しいおじさんでしたが3700レクが33ユーロになって、かなり良いレートで取引してくれたみたいです。

RPGのお使いイベントみたいですね。ネット環境がないと自分で動いてどうにかしないといけないのですが、心地良い面倒さでことが進んでいくのが楽しかったです。

午後は首都ポドゴリツァへ。道中は山道で、峠を下ると電車の線路沿いに湖と湿原が広がっていて、列車と並走しながら快走。ほんとはもっと写真を撮りたかったけど、流れが良すぎてバイクを止められず。

峠にあった廃墟とそこから見下ろせたお城の景色。ヨーロッパっぽくなってきました。

街ではレストランで豚肉のロール焼きを食べました。サワークリームが濃厚で美味しかったですが、1500円とちょっと高め。

この街ではミリタリーショップで新しいエアマットも買えたし、アウトドアショップでカッパもゲットできました。どっちも想定より安く済んで、この国の保険代とSim代が浮いた分で実質タダみたいな気分です。

夕方からは渓谷沿いの道へ。川がほんとに美しくて、何でバイクにカヌーを積んでないんだろうと憤りを感じるほど。しかも流れが穏やかで難易度も無さそうなので今度は川下りに再訪したいです。下調べのしない旅はこういう悔しさがありますね。

険しい道沿いに運良く河原へ降りられる所を見つけて、硬い石の河原で野宿することに。水があまりに綺麗で、我慢できず服のまま飛び込んじゃいました。寒かったけど体が冷えてしびれる感じが気持ちよかったです。

そして、新しいエアマットの寝心地が最高すぎて感動しました。バックルでフロントキャリアに固定もできることが分かって、これまた大助かり。SIMも無いし、ビールもないけど、自然と道具に救われた一日でした。

8月29日

深夜、ありえないくらいの雷雨で目が覚めました。

数十発の雷が断続的に鳴って、テントには雨水が染みてくるし、谷に水が集まらないか心配になるしで、まったく眠れず…。最高だった昨日から一転、不安な夜でした。

朝9時半ごろにテントから顔を出すと、まだ小雨がパラパラ。でも太陽が出てきて一安心です。しかしせっかくの清流も濁ってて悲しい光景でした。

13時ごろまでゆっくり過ごしてたんですが、色々河原で乾かしてる間に新しいエアマットが太陽光で剥離してしまってショック…。

そのあとは山越えして峠にある流行りのレストランでビーフシチューを食べました。超濃厚で美味しかったです。店員さんと世間話したらどうやらしばらく天気が悪いそう。不意打ちで絶景を見せてくれたモンテネグロでしたが、通るタイミングが残念。

コラシンという町で買い出しして、そこからまた別の川沿いを移動。ここも雨のせいで濁ってました。

道中寒すぎてカッパも早速活躍。寝床探しに苦労するのが嫌で、早めに野宿地を探すも上手くいかず。山奥をうろうろしてようやく傾斜地にテントを張れました。でもまた夜中に雨…。この天気どうにかしてほしいです。

8月30日

朝からまた雨。この数日は旅が雨に支配されています。靴がずぶ濡れになって気分も最悪…。でも9時ごろには雨がやんできたので、どうにか出発できました。

道にせり出すような崖沿いの道を走ります。目線の先には岩山と渓谷。ラフティングをやってる川があって、透明な浅瀬と、青く深いゴルジュが交互に続くまさに絶景。

谷あいに観光地らしきところがあってテラス席のあるカフェで一休み。

ジャブリャクというとこの周辺では丘の上の集落から見晴らしがよく、寄り道して景色のよさそうな山のほうへ入ってみました。

別荘地のようなところを抜けると山へ続く林道を発見。

森と湿原の中をバイクで散歩。絶景の中ひとりっきりで贅沢な時間です。モンテネグロの株がどんどん上がっていくのを感じます。

メインの道へ戻ってからも高原の抜け感がある気持ちいい景色。

ここからプルジネという町へ向かう道がまたすごく、コーナーを抜けたら突如広がる山岳地帯に入りました。

またも不意打ちの絶景で大興奮。調べずにここに来れた幸運と、知らずに来たせいで晴れの日に合わせられなかったという不運を同時に食らってしまいました。

ちょっとの晴れ間につい慌ててしまいます。

慌てて走り出してもすぐに変わってしまいそうな雲行きだったので、峠で一服してゆっくり過ごしました。車やバイク、登山で来ている人で峠はなかなかの賑わいです。バイクは喧騒から離れたポイントで休憩できるのがいいですね。

峠を下りて雄大な谷あいの景色の中を走ります。雪でも降りそうなくらいヒヤリとした空気。

感動のハードルが上がってしまいがちな旅の中で、期待の外からこうやって絶景をぶつけられるとより心が動かされる感じがします。

寒さでお腹を空かせながら湖を見下ろす山道を下って、暗いトンネルが続く危なっかしい道を抜けて、ようやく16時ごろに飯屋を発見。

メニューが現地の言葉しかなくて適当に指差しで注文すると、チーズとじゃがいものペーストを蜂蜜で食べる謎の料理が出てきました。不味くはないけど単調な味で量も多すぎたし値段も高く、正直ふつうのご飯が良かったです。食べながらも震えが止まりませんでした。

その後も凍える山道続きで疲れ果て、ツェティニエの裏山からなんとか街に到着。ガソリンもガス欠ギリギリで、入れたら2200円もしました。

ご飯屋さんのWi-Fiで予約した宿に夜8時に到着。しかしへとへとなのにオーナーが不在で死にそうになっていると、代わりに宿泊してたおばさんが部屋に案内してくれてなんとか一息つけます。庭に猫がうろついてて癒されます。

宿はボロいけど中庭が広く建物も味があって悪くない感じ。荷解きしてから近所の小さな商店でハンバーガーとビールを買って宿へ。ハンバーガーが250円なのにデカくて美味しかったです。こういうのでいいんですよ。良いも悪いの振れ幅の激しいモンテネグロツーリングが始まりました。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
スポンサーリンク