セロー250でユーラシア大陸横断 41

8月17日

今朝もやはり雨。毎日日差しが暑くて嫌になるキルギスはどこにいってしまったのか。キルギス晴れ神話崩壊です。

無料の朝食もお察しだったので宿を出て昨日のレストランでプロフを食べ、さらに屋台でシャワルマという薄い生地に肉と野菜とソースを挟んだものをぺろり。お腹はちきれそうになるほど食べ、あわせて200ソムでした。2度と適当に宿飯は頼むまい…。

南へ。町から見えていた山を目指し、峠越えをするルート。グーグルで見たらほそーい線が続いている頼りない道。しかしキルギスのポテンシャルを考えるとこの道は絶景間違いなしだと勘がささやくのです。

食後落ち着いていた雨も再び強くなり、道はじゃりとえぐれだらけで悲惨な状態。なんとかがれ場を乗り越えて草原の丘と山を迂回しながらゆるやかに登っていきます。

晴れていればきっと雪山を見ながら草原の中を走れる道なのですが、すべて霧と雨の中。グリップヒーターを使わないと走れない気温です。

やがてさらに高度を上げて川の流れる谷間に出ました。がれた道を登っていくとやがて日が差してきて、霧も晴れてきます。絶景!

すっかり嬉しくなって進んでいくと前方に巨大な雪渓を抱える雪山が見えてきました。思惑以上の景色にすっかりいい気分。しかし天気の変化が激しく、すぐに霧に包まれてしまったのでしばらく岩に寝転がって待機。

するとまた霧が晴れ、こんな絶景が現れます。

道は岩と沢水が流れ込みドロドロになった赤土で苦労しますが、苦労以上の報酬が目の前にぶら下げらていて気になりません。

高度を上げていくと沢越えの道になり、ついに道の上に積雪が。進むにつれてわだちのない部分も増えてきました。完全な新雪でふかふか。

道は想像を超えて高度をあげてしまい、やがて冒険なくしては通れない難易度になってしまいました。さらにつよく雪が降り始め、撤退の判断。地図を見る限りおそらくあと30km走れれば完走出来たのですが。

赤土と雪で滑る道を慎重に下り、谷間に降りてくると雲がちって再び山並みが現れました。道から見えるその景色が気に入って、バイクを乗り入れてテントを設営。

しかし設営直後に下から猛烈な勢いで雲と霧が登ってきて、あっという間に激しい降雪が始まりました。しばらくしてテントから出るとすっかり辺り一面雪景色。テントにもかなり積もっていて雪下ろししました。

夕飯を食べてウイスキーのお湯割りとたばこを楽しんでいると、ときおり晴れて美しい山をつまみにさらに酒が進みます。そして深く息を吸い込むと空気がひんやり澄んでいて冬のにおいがするのです。

眠るのに苦労しそうな寒さではありますが、8月の雪中野宿という贅沢を堪能したいと思います。

8月18日

エアマットが氷のように冷えてしまい、寝袋の中でも凍えて何度も目が覚めてしまいました。久しぶりに朝が待ち遠しい長い夜を越え、テントを開けると雲一つない快晴の青空!

テントを張った位置が悪く、今度は太陽を待って震えながら過ごします。ラーメンとチーズ、ハムを食べてさらに食後のコーヒーを飲みながら寝袋で体を温めていました。

やっと来た太陽で色んなものを乾かしながら歩いたり座ったり、ときに寝転んで山を眺めます。大変な夜で寝不足ですが、間違いなく景色は今までの野宿で1番の絶景です。

13時過ぎまでのんびりして下山。行きには雨と霧の中に包まれて見えなかった絶景の谷と崖上の道を快走。奥に見えるイシククル湖に向かっておりながら草原の中を駆け抜けていく気持ちよさは最高です!

お腹が空いて仕方なかったので再びボコンバエバに向かい、町の食堂でサモサを揚げたようなものを食します。中の肉と生地がジューシーでおいしいのですが2個はちょっと重めでした。

そろそろ先に進みたい気持ちがありますが、進行方向の西側に黒い雲。振り返ればさっきまで快晴だった昨日の野宿地方面の山も雲に包まれています。目の前のイシククル湖だけが晴れていたので今日もこのあたりで野宿することに。

あちこち走り回ったのですが、町が近いのでキャンプ場やリゾート地が多くイマイチな景観。
結局リゾート奥の砂浜にたどり着いたのですが、ゴミだらけで天気も悪くなり気分も盛り下がります。

しかしあんな絶景を見た後で曇って波の高い湖にきてしまったら仕方ない気がしてきました。
寝不足で疲れもあるので早めにテントへ。明日はコチコル湖まで行こうと思います。天気だけが心配です。

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