セロー250でユーラシア大陸横断 15

6月1日

バイカル湖に別れを告げウランウデまで戻ってきました。ご飯を食べてからモンゴルの国境キャフタを目指して走り始めます。

これから行くモンゴルを連想するような草原と山並みの景色が広がっていい道のりです。天気が悪いのが残念。途中どうしても我慢できなくなりダートに突入。

民家もなく荒野に山が聳え立っている風景が続くだけです。嬉しくなりバイクで山に登ってみました。かなりの斜度を登り振り返ると。

とんでもない絶景です。そしてそれに負けない強風。しばらく山伝いに高いところを走り回りました。ちょうどいい場所を見つけてバイクを停め、歩きで登山。

2時間くらい景色を堪能していました。そろそろ良い時間なのでキャフタへ。今日中に国境越えを出来るかも?と思い出発しましたがどうも間に合わなさそうです。峠を越える道では大雨になり、しかもかなり冷え込むのでがたがた震えていました。

峠の一番てっぺんでアフリカツインに乗ったライダーに遭遇。ロシア人ライダーです。彼もぐったりしていましたが、目的地が同じモンゴルとわかったので一緒に走ることに。

アフリカツインについていくのは一苦労でしたがなんとかキャフタに到着。ガソリンスタンドでやっと自己紹介します。名前はリマでイルクーツクから来ているそうです。宿に心当たりがあるというのでついていきました。

キャフタは草原の丘にたくさんの建物が並ぶ綺麗でこじんまりとした街。そんな一角の静かなところにゲート付きの中庭のある宿がありました。たしか1泊1000円前後。

二人ともご飯を食べてビールを飲むとやっと落ち着きました。彼はモンゴルで行われるモーターサイクルフェスティバルというお祭りに参加するために一週間ウランバートルに滞在するそうです。誘われたので僕も一緒に行くことにしました。

彼はロシアからモンゴル、カザフ、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンと40日で回ったことがあるそうで旅の話ですっかり意気投合。夜まで長く語り合いました。

6月2日

8時ごろに宿を出てモンゴルとの国境へ。行列を想像していたら車が3台いるだけで閑散としています。係の人の机の上にパスポートを置いて、パスポートの順番に係りの人に呼ばれる作法のようです。リマが他所事で外にいる間にぼーっと待っているとモンゴル人っぽいお爺さんが教えてくれました。

40分くらいでチェック終了。パスポートとバイクの登録証、あとは通関書類を見せました。
その後バイクのチェックが始まり、サイドバッグとザックの中を見せるように言われて軽くチェック。バイクのシートも開けれる?と言われてめんどうなのでたぶん開かないよ!俺一度も開けたことないんだ!というと係のおばさんにバカ受けして免除されました。なんてゆるいんだ。

とロシアの国境はスムーズに通過しゲートを超え、来たぞモンゴル!と思ったらここからが地獄。何度あるのかよくわからない無数のゲートに同じ書類チェック、荷物チェック。工場で完成した製品を5回くらい無駄に検査しているような無情な時間の取られ方をします。

しまいには温厚なリマも明らかにうんざりしていて二人で愚痴を言い合って暇つぶし。2人で良かったです。

モンゴル側では仕事も遅く英語も通じずで本当に疲れました。とはいえ合計2.5時間くらい。もはや賄賂なのでは、という謎のお金の支払いを何度かしてさあ出発だ!と思ったら、最後に書類をくれた兄ちゃんにオイル漏れてね?と言われて問題発生。

確かめてみるとなんとセローのオイルがほとんど空。思えば昨日早めにガス欠したと思ったけどまさかあれは…。恐ろしい想像をしてしまいます。

ウラジオストクまで300km以上あるのでとても走ることはできません。リマが一緒に見てくれて色々原因を探ってみます。その後応急処置でオイルを入れようと係りの兄ちゃんに聞いてみると、車用なら手に入るぞと仕事を放り出して近くのガソリンスタンドまでのせていってくれました。面倒見が良すぎる…。

モンゴル初の買い物を車用オイルで済ませ、オイルを注入。一安心です。ウランバートルで修理をすることにします。

国境名物闇両替のおばちゃんに3000ルーブル渡して大量のお札を受け取ります。モンゴルの通貨は日本円×0.041のレート。ちょっとしたお金持ち気分。simカードも売ってくれたので購入。

リマを先頭にしてウランバートルまで走り始めました。すぐに道沿いの屋台風のお店に入って軽めの昼食。クレープのような揚げた記事の中に羊肉のあんがつまったものと、モンゴルのお茶をいただきます。とっても美味。

お店を手伝っている少年がとてもいい笑顔で接客してくれてなんだかあっという間にモンゴルが好きになります。

日本や世界を車で旅するロシア人の方々と会い写真撮影。

出発するときやバイクで走行中もたくさんの人が声をかけてくれたり手を振ってくれたり、クラクションや、パッシングであいさつの嵐。フレンドリーさが別次元です。速攻でおぼえたモンゴルのあいさつ、サンバイノー(こんにちは)が大活躍。

草原、木のない丸みを帯びた山、荒野、荒々しい岩の山、家畜、乗馬する人、川、湖、塩湖。

そんな日本で夢見た以上の絶景に360度囲まれ、小高い道の上からは地平線の果てまでそれが続くのが見えます。そして1つの広大なエリアを抜けて山を越えたり道を曲がるとまた別の絶景世界が現れるのです。

ずーっと来るのを夢見ていたモンゴルですが、僕の想像のはるか上を行く世界でした。とても幸せなことです。いま人生の一番いいところを前借しているような気がしました。

と、そんな絶景でしたがリマはウランバートルに奥さんを待たせているらしく、愛妻家の彼は
アフリカツインをぶっ飛ばし、地元車をガンガン抜いてノンストップ走行。走るより止まるのが好きな派(?)の僕とは正反対バイクで走るのが目的の正当ツーリングライダーです。つまり写真がありません。

昼食とガソリンのみの休憩。カフェでちゃんとした食事をとるとありえない量の美味しい食事が出てきて、モンゴルへの好感度が天元突破。お肉大好き、ご飯は大盛な人が正義の国なのです。

18時過ぎにウランバートルに到着。長い坂を下っていくとこれまで何もなかった山間のスペースに突如として巨大なビル群や大量のこまかーい建物が見えてきてすさまじい異世界感。

手前30kmから慢性的に渋滞していましたが市内は特にひどく、温厚だと感じたモンゴル人もかなり攻撃的で危険な運転、鳴り響くクラクションの嵐。

しまいにはリマの真横で無理やり車線変更して出来なかった車がなぜか逆切れし、急加速して停車、男が降りてきてリマに喧嘩を売り出す事態に。最悪2対1だし誰か助けてくれるはず、
と嫌な想像をしていると男も疲れて人相の悪い僕の顔をちらりと見て、うわ仲間おるやんけ…と思ったのか退散。

その後も疲労困憊で渋滞を抜け、なんとかホステルに到着。頑丈なゲートのある広い中庭のあるホステル。1泊800円くらいのドミトリーにとりあえず2泊。

リマの奥さんを紹介してもらって近くのお店でペットボトルの2Lビールを購入し、リマと痛飲、喫煙の嵐。めちゃくちゃ盛り上がりました。

疲れていたのにそれでもブログ書きながら寝落ち。

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コメント

  1. Erif より:

    初めまして。twitter上で拝見し,記事を頭から読ませていただきました。
    順調に?旅を進められているようで何よりです。

    自分も”モータサイクル南米旅行日記”や”Long Way Round”やらで,ドン!と海外を走ってみたいと思ってはいますが現実には1weekに押し込んで走るのがギリギリでしょうか。それでも様々な人や文化あるいは歴史の違いを感じられてとても面白いな,と思っています。

    海外の人はひたすらゴリゴリ走る人が多い印象はありますね。道端で頻繁に止まっては写真をひたすら沢山撮ったりするのは意外と日本人だけ?なのかもしれません。

    この先まだまだ道中長いことと思いますが,くれぐれも事故やトラブルにお気をつけて。無事に最西端までたどり着かれることを祈っています。Godspeed!

  2. てっか より:

    コメントありがとうございます。
    出会った旅人たちを見ていてもあまりたくさん写真を撮っている印象はなかったですね。
    おっしゃるとおり一週間でも色んな楽しみ方ができると思いますよ。
    気を付けて旅を楽しんできますね。