セロー250でユーラシア大陸横断 9

5月24日

5時くらいにクジャに猫パンチされて目が覚めました。子猫のパワーがとにかくすごくてしばらく付き合って遊びます。付き合ってなんて言うと嫌々みたいですが、正直デレデレで夢のような時間です。

なんとかクジャが大人しくなってきたので2度寝して8時ごろに起床。外は小雨でかなり冷えますが、家の中はポカポカです。

サーシャがまた食え食えとコーヒーにクッキー、パン、豚の脂身を冷凍したものなどなど、どんどん出してくれます。これがまさかの朝飯前というやつで、一服したあとは鶏肉を煮てだしをとった鍋でパスタとチーズをゆで、そこにトマトソースとチーズを入れた特性パスタを作ってくれました。チーズがもったりしていてめちゃくちゃ美味です。食卓に置かれたトマトとにんにくのソースを足すと味に変化が出て満腹なのに完食。

食後にまたお茶してまったりしたあと家に入れてもらってたバイクを外へ出し、荷物をまとめて出発の準備をします。サーシャはまだ泊っていけと言ってくれますが、居心地が良すぎて動けなくなりそうなので、根が張る前に動きました。

荷物を積んでいると近所に住むアンドレがやってきて世間話。感じのいい兄ちゃんでフレンドリーで話しやすい雰囲気です。

サーシャとアンドレが街の出口まで車で先導してくれて街を出ます。アンドレと握手してサーシャと抱き合いました。ハグの力が物凄くて言葉では伝わり切らない気持ちが伝わってくるような気がします。

おれたちは家族だと言ってくれて、手を振りながらお別れしました。

小雨だった天気も晴れ上がり、青い空の中走っていると色んなことを考えます。人にやさしくしてもらった時のこの気持ちのままでいられたら少しはまともな人間になれるのにな、と日本一周の時にも考えたことを思い出しました。

しばらく走っていると道の先にザックを背負った旅人を発見。ロシアを走り出してからは初めての旅人で嬉しくなり話しかけるとなんと日本人。

しかも話しているとウラジオストクから2か月と少しということで、もしかしてターニャのお店に寄せ書きをされた方ですか?と尋ねるとまさに本人でした。

61歳の方で旅慣れてらっしゃる雰囲気です。2か年計画でヘルシンキを目指しているそうで、ロシアはビザの関係でそろそろでなければいけないので、1度出てまた入国し途中から歩き始めるそうです。

ロシアの人の好さや逆によくないところ、衣食住や水の話など話が盛り上がります。ロシアでは水道が一部飲めるそうで、そういうところを地元の人に教わって水を補給されてるそうです。水を少しお裾分けしました。幹線道路をそれるととても歩けるような道の状態ではないらしく、歩きでそれならバイクは絶望的かもしれません。

コンゴに縁のある方で写真を見ながらコンゴの魅力を熱く語っていただきました。ここ数年で外国に頼らず自分たちで教育やインフラを盛り立てていて、いい流れがきていると嬉しそうにおっしゃってました。

1時間ほど立ち話して連絡先を交換してお別れ。まだ10日目とはいえ久しぶりの日本語での会話がとても楽しめました。僕はバイクで旅をするのが好きだし比較することではないですが、歩きや自転車、カヌーなど人力で旅をしているひとは本当に素晴らしい時間の使い方をしていると感じますね。とても尊敬しています。

せっかく天気がいいので少しはまじめに距離を稼ぐべきかとペースを上げてみました。給油や食事以外は走り続け、途中寄り道して田舎町でビールを購入。

久しぶりに3G回線が入りました。wifiどころか携帯でもこのありさまなのでブログ更新が絶望的です。

今日はアップダウンの激しい道で峠から下っていくときの地平線がたまらなく広くて綺麗です。珍しく山がちな地形で一部残雪も残っていました。

脇道に小高い山へてっぺんまで続くダートを見つけ、思わず登っていくとかなりガレたダートのてっぺんに電波塔があり、振り返るとここまでで一番の絶景が。日本ではこの程度の山からこんな広がりを見れることはまずないので、ここ最近慣れてきていたロシアの自然に改めて感動していました。

別の道に入っていくと紫のきれいな花が咲いた枯草の広場があり、白樺の倒木の間になんとかテントを貼れそうだったので野宿地決定。まだ300kmも走っていませんが、焦ることもないので絶景を楽しもうと思います。

まずいビールでウインナーを流し込み、残っていたラスクで夕食。19時過ぎから明るいのにどんどん冷えてきて恐ろしいです。

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